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「母のご飯をたくさん食べたい」激動の1年終え岡山に戻った渋野日向子の素直な気持ち

2019/12/6(金) 20:35配信

ゴルフ情報ALBA.Net

岡山のヒロインが地元で満開の笑顔を見せた。ツアー初優勝、2勝目、そして「全英AIG女子オープン」優勝。帰国後も国内ツアー2勝を挙げ、賞金ランキング2位。年間最優秀賞選手賞も受賞した渋野日向子が、地元で1日警察署長を努め、各所を回り表彰を受けた。

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渋野の1年はまさに激動だった。「謎」を1年の漢字に選ぶほど、自身の予想をはるかに上回る結果を残し日本中が注目する国民的ヒロインに上り詰めた。楽しいときはもちろん、悔しいとき、悲しいとき、つらいときも笑顔を求められた。あまりにも変化が大きかった環境に戸惑いを覚えた時期もあった。そんな渋野の表情は、少しの照れとうれしさと、地元への懐かしさにあふれていた。

先週行われた最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では2位タイでフィニッシュ。最終ホールのバーディでホッとしたような笑顔も見せた。激戦後はプロゴルファーにとって恒例のオフの仕事をこなし、地元の岡山県に戻ったのは木曜日。そして6日の金曜日は、早朝から岡山県をスマイルで走り抜けた。

「実感はないですけど、たくさん表彰していただいて久しぶりにすごいことをしたんだなと思いました」。どこへ行っても人だかり。ツアー会場でもみくちゃにされるときとはまた違った、柔らかい笑顔を浮かべた渋野の表情は、岡山県民の笑顔をも誘った。

昨年7月には西日本豪雨が岡山県を襲い、自宅の目の前は「海のようだった」と、目の前に控えた最終プロテストの出場も考えたほどの被害だった。「ボランティアしたかった」と、当時の心境を沈痛な面持ちで語った。そんな思いをぶつけたのは、ゴルフ。「ゴルフで皆さんを笑顔にできたらなと思っていて、今年1年の結果でたくさんの人が笑顔になってくれたんじゃないかと思います」。県民の笑顔を引き出せたことを素直に喜んだ。

「ゴルフで勇気づけるのが私のやるべきことだった。災害はいろんなことをなくしていくけど、いろんなことを気づかせてくれた」。強い気持ちで臨んだ今季の頑張りは、被災した地元への愛から生まれたもの。そして、その愛に勇気づけられた県民の思いも、渋野の快進撃を支えた。

感謝、恩返しという言葉を常に口にする渋野。「皆さんのために頑張りたい。皆さんがいるから頑張れる」。ツアーで地元を離れることが多くなり、有名人となってからは地元に帰っても人前に出ることが制限された。寂しい気持ちを抱いていた21歳の“岡山大好きっ娘”にとって、ようやく地元での凱旋を果たしたきょうは、特別な日となった。

ツアーは終わっても、年末年始は仕事に追われる人気者。忙しい日々が続くが、つかの間の地元での時間、そして実家でのひとときに笑みを見せた。「寝たいです(笑)。ツアーが終わってからも仕事があったので、家のベッドで寝るのがいちばん幸せですね」。当たり前だった家での時間も、いまではありがたみを感じるご褒美となった。

がむしゃらに走り抜けた1年もまもなく終わる。「母のご飯が食べられていなかったので、たくさん食べたい」。屈託なく笑った渋野の最高の笑顔は、来年も岡山、そして日本中、世界中を笑顔にするはずだ。(文・高桑均)

(撮影:ALBA)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:2019/12/6(金) 20:35
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