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東南アジアで中国のプレゼンスが強化~ASEAN投資3倍、新ルート開設で中-ASEAN貿易は急拡大

2019/12/6(金) 6:00配信

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米中貿易摩擦の長期化が予測されるなか、中国に製造拠点を構えている国内外の企業は東南アジアへの移転を検討しているといわれている。これをきっかけとして中国-東南アジア間の経済活動がさらに飛躍する可能性がある。

ASEAN(東南アジア諸国連合)を専門とするシンクタンクAMROがこのほど発表したレポートによると、2018年中国の対ASEAN投資はストックベースで1,500億ドル(約17兆円)に達する見込みだが、米中貿易摩擦の影響で2035年には3倍以上拡大し5000億ドル(約56兆円)近くに達する可能性があるという。一方、ASEANから中国への投資も2018年の600億ドル(約6兆7000億円)から2035年には2000億ドル(約22兆4000億円)に達する見込みだ。

すでに韓国のLGとサムスンは関税を避けるために、中国の製造拠点の一部をベトナムに移転したと報じられている。また中国から東南アジアへのシフトを検討する香港企業が増えているともいわれている。

中国の東南アジア投資に関しては「一帯一路」構想の下、この数年着々と基盤が整備されてきたが、貿易摩擦の悪化により想定以上の規模に拡大する可能性が見えてきた格好となる。ロイター通信が2018年1月に関係筋の話として報じたところでは、中国輸出入銀行が支援する東南アジア特化型ファンド「中国・ASEAN投資協力ファンド(CAF)」が目標調達額を当初の10億ドル(約1120億円)から3倍の30億ドル(約3360億円)に引き上げるという。

中国からシンガポールへのコンテナ輸送日数は4週間から1週間に大幅短縮

このように中国-ASEAN間の投資の活況が予想されるなか、モノの輸出入に関しても新たな貿易ルートが開設され、中国-ASEAN間の貿易、さらには欧州-中国-ASEAN間の貿易が一層拡大する可能性も見えてきた。

シンガポールと中国・重慶市が共同で進める「重慶コネクティビティ・イニシアチブ-南方回廊(Chongqing Connectivity Initiative ー Southern Transport Corridor = CCI- STC)」プロジェクト。「蘇州インダストリアルパーク」「天津エコシティ」に続く、中国とシンガポールの3つ目の共同プロジェクトだ。

CCI-STCは、鉄道と船舶による陸海複合輸送ルートで、これまで3~4週間かかっていた重慶-シンガポール間の輸送日数を1週間にまで短縮することが可能となった。シンガポール地元紙ビジネスタイムズによると、今後税関プロセスのデジタル化などを進め、所要日数を1週間からさらに2日短縮し5日を目指すという。

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最終更新:2019/12/6(金) 6:00
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