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今年のドラフトにみる戦力均衡化

2019/12/6(金) 7:02配信

VICTORY

野球の国際大会「第2回プレミア12」が日本の初優勝で幕を閉じ、プロ野球界はストーブリーグの話題に本格的にシフトした。ここに来てドラフト会議で1位指名を受けた大物選手の入団が相次いで決定した。11月30日、最速163キロの超大型右腕、岩手・大船渡高の佐々木朗希投手が新人選手の最高条件となる契約金1億円プラス出来高払い5千万円、年俸1600万円でロッテと合意した。同25日には、石川・星稜高の奥川恭伸投手がヤクルトと大型契約を結び、いずれもスポーツ紙を中心にメディアで大きく取り上げられた。今年のドラフトでは昨年に続き、最初の指名で11球団が高校生を選んだのが特徴。現時点での評価という点で、各チームの戦力均衡に適度な結果になったと見ることもできる。

▽活性化

今年は10月17日に開催されたドラフト。目玉は何といっても身長190センチとスケールが大きい佐々木だった。事前にはパ・リーグの全6球団が1位で競合するのではと予想したメディアが複数あった。ふたを開けてみれば、実際に1位で指名したのはロッテの他、日本ハム、楽天、西武で、4球団による抽選が実施された。

このため、1位指名は全体的にばらけた印象だった。今夏の甲子園大会準優勝を経験した奥川はヤクルトの他、巨人と阪神で3球団の競合となった。愛知・東邦高の石川昂弥内野手はオリックス、ソフトバンク、中日が指名し、抽選で中日が交渉権を獲得した。ソフトバンクは大方の予測では佐々木の1位指名だった。会議前日に王貞治球団会長が「公表してもいいけど、しないよ」などと話し、3年ぶりに事前に公表せず、結果的には石川だった。中国の兵法書「孫子」には有名な格言がある。「兵は詭道なり」。つまり、戦いとは所詮だまし合いという意味だ。その言葉を想起させるドラフトならではの駆け引きだった。

佐々木のロッテはパ・リーグで今季4位、奥川のヤクルトはセ・リーグで6位、石川の中日は5位だった。プロに入って活躍できるかどうかは本人の努力次第。ただ、下位に終わったチームに高評価の選手が加入する流れになったことは、リーグの活性化という観点からプラスと捉える向きがある。戦力的にはもちろん、注目度の高い選手がいるチームにはキャンプイン、あるいはその前の自主トレーニングからより多くのメディアが取材に行き、テレビや新聞、ネットニュースで報じられる。自然とそのチームの露出が増加し、新たなファンを獲得する可能性は広がることになる。

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最終更新:2019/12/6(金) 7:02
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