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ベトナム政府が力を注ぐ国産ソーシャルメディア、その光と陰

2019/12/6(金) 17:00配信

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ITオフショア開発拠点として注目されるベトナム

グルメ、雑貨やビーチリゾート目当ての旅行者だけでなく、ITオフショア開発拠点や市場として、近年ビジネスパーソンからの注目も高くなっているベトナム。

比較的若年人口が多く、ソーシャルメディアの利用も活発だといわれている同国では、利用時間は1日あたり143分で東南アジアの中では比較的少ないものの、約5,500万人がソーシャルメディアを定期的に使用しており、ソーシャルメディアエンゲージメントにおいては世界第7位となっている。

そんなベトナムでいま注目されているのが「LOTUS」だ。ベトナムのIT企業「VC Corp Communication Technology Company」が開発したこの国産ソーシャルメディアは、今年9月16日にハノイで公式に開始されたばかり。資金も地元投資家から調達し、その額は3,000万ドル以上に達した。

ベトナム政府はこのところ国産ソーシャルメディアの開発を推進しており、これまでにも「Hahalolo」や「Gapo」というソーシャルメディアが国内より立ち上がっているが、その最新の取り組みである「LOTUS」とはどのようなものなのか。またその開発の背景とは。

ベトナム人によるベトナム人のためのソーシャルメディア「LOTUS」

LOTUS(蓮の花)は、ベトナムのシンボルとされる花だ。日本人にとっての桜のような存在とも言われ、国営のベトナム航空のロゴマーク、そしてベトナム伝統のお茶としても使われる、ベトナム人にとって特別な花だ。

ソーシャルメディアLOTUSは、このベトナムを代表する花の名を冠し、ベトナムの人口約9600万人のうち6000万人以上をユーザーとするFacebookが君臨するソーシャルメディア界で、「ベトナム人によるベトナム人のためのソーシャルメディア」として、巨人Facebookに代わって国内トップとなることを志す。

ベトナムには、これまでもいくつか自国発のソーシャルメディアが開発されているのだが、LOTUSは、モバイルアプリケーション、人工知能、ビッグデータ、クラウドコンピューティングといった多様な専門分野の200人以上のエンジニアがVC Corp社にて開発に関わり、より洗練されたソーシャルメディアとなることを目指している。

FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は2017年、今後10年間のFacebookのミッションは「世界中でコミュニティをつくること」と発表したが、このようにFacebookが「人と人をつなぐこと」にフォーカスしているのに対し、LOTUSはユーザーが自身の興味関心を追求し、楽しむための場としていくことで差別化を図るという。

そのため、個人のアカウントに対してフレンド申請やフォローをするではなく、トピックや、インフォメーションソースをフォローする仕様となっている。

ローンチされた時点で、500人以上のクリエーターが、教育、経済、写真、ブログ、動画作成、ライフスタイル、エンターテイメント、音楽、マーケティングといった20分野で初期コンテンツを用意しているが、今後は、一般ユーザーからのコンテンツ制作・公開も行われる予定だ。

フィードはAIによりパーソナライズされたニュースフィード、ユーザーの興味関心によって選ばれたコンテンツのフィード、そして天気や航空券の追跡などのウィジェットの3つからなり、Facebookとの差別化を図っている。

特にユニークなのは、トークンシステムだ。投稿や動画の閲覧、そして共有に基づいて発行されるこのトークンは、LOTUSのフィードに「ポジティブな」投稿のみが並ぶインセンティブとなることが期待されている。

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最終更新:2019/12/6(金) 17:00
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