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笑わない男・稲垣は教え子 九共大監督「まさか自分が」初の全国舞台

2019/12/6(金) 11:42配信

西日本スポーツ

 ラグビーの全国大学選手権に初出場する九州共立大(九州)が8日、北九州市のミクニワールドスタジアム北九州で行われる初戦の2回戦で朝日大(東海・北陸・中国・四国)と対戦する。松本健志監督(37)は大学日本一にも輝いた黄金期の関東学院大でプレー。「感慨深いですよ。まさか自分が監督として大学選手権に出るとは思っていなかった。どういう景色なんだろう。楽しみでしかない」と心待ちにしている。

【トーナメント表】ラグビー全国大学選手権

 北九州市で生まれ育ち、幼稚園から楕円(だえん)球を追った。186センチの大きな体を生かしたパワフルなFWとして佐賀工高時代に主将を務め、大阪・花園で毎冬開かれる全国高校ラグビー大会では準優勝を経験した。高校日本代表に選ばれ、桜のジャージーも着た。関東学院大の4年間は大学選手権でチームとして1年で優勝、2年は準優勝、3年は優勝、4年は準優勝。プレーで貢献したのは3年時だが、4年時は主将を務めた。

 卒業後はコカ・コーラ(福岡市)でプレー。現役引退後は教員免許の取得を目指して3年間、母校の関東学院大でコーチ修業もした。その時の教え子の1人にラグビー日本代表のプロップで「笑わない男」として一躍有名になった稲垣啓太(パナソニック)がいた。松本監督は「笑わない男、教え子なんです(笑)。彼が1年、2年、3年の時でした」。

 パナソニックの宮崎合宿中、稲垣選手に取材する機会があり、松本監督の話題を振ると「知っていますよ、知っています」と懐かしそうに振り返ってくれた。「(松本監督は)選手を盛り上げてくれるムードメーカーの存在だった。チームがいい方向にいけるように身をていしてチームを盛り上げてくれた。ラインアウトの技術など教わった」と感謝した。

 関東学院大での3年間のコーチを終えて、今度は九州共立大のコーチとして3年間。5年前から監督に就任した。九州共立大で指導して8年目にたどり着いた全国の舞台だ。「監督としての初の優勝、そして全国大会。選手で出た時とは全然違う別の喜びがある。長かった…」。九州は人材の宝庫ながら、優秀な選手は関西や関東の大学に進学してしまう。そこで周囲から「どこにでもいるな」と言われるほど、指導の合間に全国各地の高校の試合などを見て回り、一芸に秀でた選手を発掘し、声をかけて選手を集めた。「体が小さくても足が速いとか、タックルがすごいとか。光る部分を見つけて徹底的に磨く。そういう子が活躍してくれるとうれしい」とほほ笑む。

 監督就任後は、全国切符が手に届きそうな勝負どころで、痛恨のミスなど精神的な弱さが出て逃してきたという。その流れを突き破り、新たな歴史を切り開いた今回のチーム。松本監督は「大学時代は何とも思わなかったが、全国の壁はこんなに厚かったのかと。これまで指導してきた卒業生の顔も浮かぶ。彼らがいてその積み重ねでここまできた感謝の思いもある。ここまできたら失うものはない。選手には今年のチームスローガンの『当たって砕けろ』の気持ちで思い切りやれ、と言っている」。現役時代よりもふくよかになった体で、稲垣選手を指導した頃と同じように選手への深い愛情で包み込む。晴れ舞台は、くしくも生まれ育った北九州。「ここからがスタート」と意気込む全国デビューに胸を躍らせている。

西日本スポーツ

最終更新:2019/12/6(金) 12:01
西日本スポーツ

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