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[社説]大統領府の不手際な釈明、「下命捜査」疑惑をいっそう膨らませた

2019/12/6(金) 6:54配信

ハンギョレ新聞

 大統領府が蔚山(ウルサン)市長の不正「下命捜査」の有無について独自の調査結果を発表し、釈明に乗り出したが、むしろ疑惑を膨らませた。大統領府がこの事案の厳重さを十分に認識して調査をしたのか疑わしいほどだ。

 コ・ミンジョン大統領府報道官は4日、同事件の情報提供の経緯と(警察への)文書移管の経緯を調査した結果、「大統領府の行政官が外部から情報提供された内容を一部編集して要約・まとめ」たと明らかにした。そして、死亡したP元特別監察班員が蔚山に行ったのは、政権2年目を迎え機関間の利害衝突の実態点検のためだとし、「国政2年目症候群、実態点検および改善策報告」資料をマスコミに公開した。

 しかし、外部の情報提供者がソン・ビョンギ現蔚山市経済副市長だったという事実が明らかになり、釈明の信頼性まで揺らいでいる。大統領府の発表直後、ソン副市長がマスコミに実名を出した状況でも、大統領府は「本人が望んでいない」という理由で身元公開や追加釈明をしなかった。昨年の地方選挙当時、民主党のソン・チョルホ候補陣営で核心的な役割を果たした事実は脇におき、「政党所属ではない」などと誤解を招く説明をした。そのうえ、ソン副市長と行政官の間で誰が先に電話をしたのかをめぐっても依然として主張が食い違っている。ソン副市長が5日、会見に乗り出し、「市庁選を念頭に置いて情報提供したという主張は決して事実ではない」と主張したが、「良心を賭ける」という以上の根拠は提示しなかった。

 ソン副市長の説明のとおり、大統領府への情報提供前の2016年、建設業者のK氏がキム・ギヒョン当時蔚山市長の側近の不正を告発して地域のマスコミに公開された状態だったので、情報提供は新しい内容ではなかったかもしれない。大統領府側は死亡したP元監察班員が情報提供の収集に関与していなかったということに釈明のフォーカスを当てたのかもしれない。たとえそうだとしても、大統領府の釈明は疑惑を拭うには不十分すぎた。大統領府が地方選挙に介入するため警察に「下命捜査」を指示したとして「選挙工作」だという主張まで出ている状況で、このようなやり方の大統領府の安易な対応は理解できない。

 大統領府は2017~18年の「蔚山事件」をめぐって、当時の民情首席室内部で具体的にどのような議論をし、どのような処置をしたのか、再び調査し国民に明らかにする必要がある。当時の状況さえまともに把握できていないように見える今の対応では、ますます膨らむ疑念を静めることができないことを重く認識しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2019/12/6(金) 6:54
ハンギョレ新聞

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