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パナソニック、顔認証技術をAPI提供、多分野への利用拡大を図る

2019/12/6(金) 9:00配信

BCN

 パナソニック コネクティッドソリューションズ社(樋口泰行社長)は11月25日、顔認証技術のAPI提供を開始した。顧客が利用するシステムやパートナー企業のソリューションに組み込みやすくし、利用の拡大を図る。B2B向けIoTサービス「ミューソケッツ」上のマイクロサービスの一つとして提供。「3年後に300社の導入」(相澤克弘・イノベーションセンターIoTサービス事業統括部長)を目指す。



 パナソニックの顔認証技術は、複数のディープラーニングを融合して顔の詳細と全体を把握して特徴を抽出する特徴量の生成手法や、明るさや向き、帽子やマスクの着用による顔の隠れといった撮影環境に応じてディープラーニングの特徴量を変更する類似度計算手法を強みとする。

 顔認証APIはクラウドサービスとして提供し、パナソニックの顔認証技術のシステムへの組み込みや多拠点での展開をしやすくする。登録した顔画像は特徴量のデータを生成した時点で破棄。パナソニックのプログラムでしか扱えない顔特徴量データ(バイナリデータ)として保有するため、「万が一データが持ち出されたとしても問題は発生しない」(相澤統括部長)という。

 ファーストユーザーとして、サイバーエージェントの子会社であるマッチングエージェントが、自社サービスのマッチングアプリ「タップル誕生」の本人確認強化に向けて採用。年齢・性別を確認する顔画像の登録された身分証明書審査の際に、スマホでの自撮り写真の提出を求めることで、従来の監視センターによる目視確認に加えて、身分証明書と写真の照合を行い、「より厳格な本人確認ができる」(マッチングエージェントの合田武広社長)。19年12月から顔認証を利用した本人確認を運用の開始する予定。

 顔認証市場は拡大傾向にあり、近年はさまざまな分野で本人確認や入退管理での顔認証の活用が広がっている。パナソニックではこれまでに、全国主要空港の入出国ゲートや富士急ハイランドの入園/退園向けなどに顔認証技術を提供している。従来は案件ベースでの提案が中心だったが、より顧客やパートナーが利用しやすい形でサービスラインアップをそろえることで普及を促進する。今回の顔認証APIの提供もその一環で、江坂忠晴・副社長イノベーションセンター所長は「より幅広いお客様に活用していただける」と話す。
 

 パナソニックでは、製造、物流、流通、エンターテインメントなどでの入退管理や本人確認に商機を見込む。既存顧客に対してはパナソニックのグループ販社を通じて、新規顧客にはSIerなどパートナー企業やECサイト経由で販売するほか、技術習得や開発を支援する「顔認証APIコミュニティ」も用意。また今後は、銀行口座の開設時などに必要な本人確認をオンラインで行う「eKYC」向けに金融機関への提案も強化していく方針だ。(前田幸慧)

最終更新:2019/12/6(金) 9:00
BCN

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