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【量産最強のフォード】 フォード・シェルビー・マスタングGT500に試乗

2019/12/6(金) 9:50配信

AUTOCAR JAPAN

想像以上にハンドリングを楽しめる

変速フィールも、内蔵を強打されるほどの衝撃はない。むしろスムーズに感じるくらい。つまり、走り始める前には想像もしなかったほどに、クルマの操縦を楽しめる。リアサスペンションがリジットアスクルであるという心配もいらない。

現行のマスタングのリアサスペンションの仕上りが良好なことはわかっていた。そこへ手が加えられ、86.25kg-mというみなぎるトルクを平滑ではない路面へ伝える実力を知ると、さらにその優秀さに気付く。

コーナーでも同様に恐怖は感じない。穏やかにアンダーステアを覗かせるが、無限と思えるパワーを与え直して姿勢を変えていっても、急にノーズが振られることはない。アクセルペダルでコーナリグラインを自然に整えられ、望んだ通りに向きを変えていける。

ステアリングに伝わるフィーリングは少ないが、ハイスピードでのコーナリングでも、クルマを信じて狙ったクリッピングポイントへ操れる。残念なのは、隠しきれない1892kgという車重。

荷重の制御は良好で、スプリングの設定も良いから、乗り心地は悪くない。ただし減衰力は、野球場に出かけるだけでも少々詰めが甘いように感じるかも知れない。

全体として、シェルビー・マスタングGT500はビッグ3のパワー戦争では優れた武器になっても、精密なマシンと呼べるほどではない。適切な条件でなら楽しいはずだが、シリアスに運転を追求するタイプではなさそうだ。

最も強調されたマスタングの姿

もしドライビングフィールを重視するなら、ずっと安価にGT350という選択肢が用意されていることは朗報。8200rpmまで回るV8エンジンが発する、特別な音響を楽しむこともできる。

GT350には嵩むスーパーチャージャーがフロントに積まれていないぶん、より滑らかで魅力的にパフォーマンスも楽しめる。腕が試されるような道では、GT500より速いはず。

残念なお知らせとしては、どちらのクルマも英国には正規に輸入されないこと。英国で公認を取る費用を考えると利益にはならないらしく、もしオーナーになりたいならアメリカへ移住するしかない。

少なくとも、フォード・シェルビー・マスタングGT500という存在を知ることができて嬉しい。マスタングという名の電動SUVが登場する中で、フォードがマスタング・ブランドの姿を再提示することは、重要な意味を持つものだと思う。

このフォード・シェルビー・マスタングGT500は、想像できる範囲で最も強調された、マスタング像だと感じた。

フォード・シェルビー・マスタングGT500のスペック

価格:7万3995ポンド(799万円)
全長:4784mm
全幅:1916mm
全高:1381mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:-
CO2排出量:-
乾燥重量:1892kg
パワートレイン:V型8気筒5163ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:760ps/7300rpm
最大トルク:86.2kg-m/5000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

AUTOCAR JAPAN

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最終更新:2019/12/6(金) 16:00
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