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ECB、マイナス金利への信念に揺らぎか-ドラギ前総裁の退任後

2019/12/6(金) 8:52配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のドラギ前総裁の置き土産とも言えるマイナス金利を手放しで支持する勢力を見つけるのは、ドラギ氏引退から5週間をへて一段と難しくなった。

ドラギ氏の任期終盤で中銀預金金利をマイナス0.5%まで引き下げることに同意した政策委員会メンバーらは、マイナス金利は必要悪とした上で、これ以上深堀りすべきではないとの声を強めている。こうした印象は、ラガルド新総裁が金融政策について多くを語っていないこともあり、払拭(ふっしょく)されないでいる。

金融機関はムードの変化に気付き、ラガルド総裁の下で今月12日に初めて開かれる政策委で利下げ決定はないとみている。

インフレ回復のために必要なら追加措置を取るとの約束にECBの信頼性がかかっていることや、金利はさらに低下する可能性があるとの同中銀のガイダンスを考えると、驚くべき展開だ。新総裁が予定する戦略検証で、政策手段について慎重な精査が必要とされていることがうかがわれる。

スタンダードチャータード銀行の米欧担当チーフエコノミスト、サラ・ヒューイン氏は「ECBがこれ以上利下げをするとは思わない。マイナス金利が悪いというコンセンサスがあるかどうかは分からないが、ドラギ氏からラガルド氏へのトップ移行に伴い、懸念表明の機会があるのではないかと考えている」と話した。

実際、これまでのドイツとオランダに加え、スペインとイタリアの中銀総裁もマイナス金利に懐疑的な認識を示し始めている。デコス・スペイン中銀総裁は今週、マイナス金利が最終的に金融機関に悪影響を与える可能性を否定できないと発言。ビスコ・イタリア中銀総裁も独紙ハンデルスブラットに対し、「マイナス金利が長期化し深掘りされるほど、重大な副作用が生じる可能性は高まる」と述べた。

今月の利下げの可能性をこれまで否定しなかった金融機関の一つ、JPモルガン・チェースも見方を変えた。同社エコノミストのグレッグ・フゼシ氏は「緩和シグナルが欠如しているほか、ECBがコンセンサスを築くのにしばしば時間がかかることを考えると、ECBがこれ以上の行動に出るのはますます難しくなっている」と述べている。

原題:ECB Resolve on Negative Interest Rates Wanes Under Lagarde (1) (抜粋)

(c)2019 Bloomberg L.P.

Craig Stirling

最終更新:2019/12/6(金) 8:52
Bloomberg

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