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新潟女児殺害、死刑判決とならない事情 最高裁が求める「慎重さ」「公平性」、裁判員を説得か

2019/12/7(土) 10:42配信

47NEWS

 新潟女児殺害事件の一審判決で、新潟地裁は4日、小林遼(はるか)被告(25)が下校途中の小学2年女児に車を背後から衝突させ、首を絞め気絶させて連れ去った上、車内でわいせつ行為をした際、女児が声を上げたことから首を絞めて殺害し、遺体を電車にひかせて遺棄、損壊したと犯罪事実を認定した。これだけの罪を犯し、求刑通りの死刑ではなく、無期懲役と判断したのはなぜか。そんな疑問を持つ人も多いだろう。最高裁の判例で求められた「慎重さ」と「公平性」がキーワードとみられ、背景事情も含めて考察する。(共同通信編集委員=竹田昌弘)

■永山基準で順次検討 

 死刑の選択は、①罪質(事件の全体像・特徴)②動機③態様、特に殺害の手段方法の執よう性・残虐性④結果の重大性、特に殺害された被害者の数⑤遺族の被害感情⑥社会的影響⑦犯人の年齢⑧前科⑨犯行後の情状―などを併せて考察したとき、その罪責(犯罪の責任)が誠に重大で、罪刑の均衡(犯罪と刑罰がつり合っている)の見地からも一般予防(犯罪者を処罰することで、一般人が犯罪を行うのを予防しようという考え方)の見地からも、極刑がやむを得ないと認められる場合に許されるとされている。 

 これは最高裁が1983年7月、連続4人射殺事件の永山則夫元死刑囚(97年に刑執行)の第1次上告審判決で示した判断基準なので「永山基準」と呼ばれている。判決には明記されていないが、③の一つとして、犯行が計画的だったかどうか(計画性)も考慮すべき事情とされている。新潟女児殺害事件の判決では、永山基準のうち①、②、③の計画性、殺害方法、④を順次検討し、「それ以外の事情」として⑤と⑥に言及している。

■殺害被害者1人で死刑、裁判官裁判32%、裁判員裁判50%

 永山基準の中で最も重視されてきたのは、④の殺害被害者の数。殺人や強盗殺人などの重大事件を裁判官だけで審理(裁判官裁判)していた1980~2009年、死刑を求刑された346人のうち、今回の事件のように、殺害被害者1人は100人で、死刑が確定したのは32人(32%)だった。 

 今回の事件と同じわいせつ目的やレイプ目的で誘拐後の殺人は10人に死刑が求刑され、<a>女児に対する強制わいせつ事件の前科があり、7歳の女児をわいせつ目的で誘拐し、犯行の発覚を恐れて殺害した事件<b>女子高校生をレイプ後殺害し、被害者の両親に身代金を要求して受け取った事件<c>女子短大生を拉致、監禁、レイプ後、灯油をかけて火を付け、焼き殺した事件―の3人が死刑となっている。今回の小林被告には、<a>のような前科はなかった。 

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最終更新:2019/12/9(月) 10:13
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