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『コナン』『ドラえもん』…名作のコミック1巻、今でも毎年重版 デジタル時代の謎

2019/12/7(土) 9:00配信

オリコン

 国民的漫画『ドラえもん』と『名探偵コナン』のコミックス第1巻は、今でも年に数回は増刷されている――。先日、出版元である小学館マーケティング局でこんな話を聞き、とても驚いた。

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 同社によると、『ドラえもん』はてんとう虫コミックス1巻が発売された1974年以来、『名探偵コナン』は少年サンデーコミックス1巻が発売された1994年から、どちらも毎年必ず増刷されているとのこと。「出版不況」や「デジタル化」が叫ばれるようになった2000年代以降も“紙”の単行本、しかも長尺物の第1巻が毎年毎年増刷されているとは驚きを禁じ得ない。マーケティング局の担当者に“紙”が売れ続けている謎を分析してもらった。

 『ドラえもん』は小学館の学年誌『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』の1970年1月号にて連載がスタートし、単行本は74年7月から刊行。73年にテレビアニメが放送開始、そのほか映画やゲーム、グッズ化とメディアミックス展開がされてきた。そしてコミックスは45巻まで発売されており、12月1日には連載開始50周年を記念して、第0(ゼロ)巻が刊行。各メディアで大きな話題となっており、発売前に二度も、さらに発売当日にも大規模増刷が決まるなど、異例の売れ行きを見せている。

 作者の藤子・F・不二雄さんは96年に亡くなったが、現在もテレビアニメが放送され、劇場アニメが毎年公開されるなど愛され続けている。人気作品であるためコミックスの増刷は当たり前のように思えるが、約半世紀前に発売されたコミックス1巻が発売時とほぼ同じ形で“毎年”増刷され続けているのは「他社様の作品でも一切ない」と同社マーケティング局の担当者は話す。

 「テレビアニメが放送され続けていること、毎年新作映画が公開されていることもあって、『ドラえもん』の認知度は国内外でも高い。それでも約半世紀前に発表された漫画を毎年、新しく購入する読者が多くいることには驚かされます。他の長期連載のコミックスでも1巻が増刷されることはありますが、『ドラえもん』の場合は毎年、しかも年に数回ですから、改めて偉大な作品と感じます」と愛され続けていることに感謝した。

 毎年増刷される理由は何だろう?「アニメを見て面白いと感じた新しい視聴者である“子ども”たちの影響が大きいと思います。ドラえもんの原点、『どのようにのび太君と出会ったのか?』が気になる子も多いのでは」と担当者は考察する。「また、親が安心して買い与えられる作品として選ばれていることも大きな理由のひとつでしょう。自分たちも見たり読んだりしてきた作品ですので、安心して読ませることができる。さらに、らんぼう者だけど男気のあるジャイアン、ちょっと意地悪なスネ夫、真面目で優しいしずかちゃんなど、小学校に入学する前にクラスの人間関係を学ばせるためにも丁度いい。あとは、かつての読者が大人となり、改めて買い集めていることも想像できますね」と分析した。

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最終更新:2019/12/7(土) 16:31
オリコン

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