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『コナン』『ドラえもん』…名作のコミック1巻、今でも毎年重版 デジタル時代の謎

2019/12/7(土) 9:00配信

オリコン

 一方で、『名探偵コナン』の重版理由は「正直、完全に把握できているわけではない。作品が面白いということはわかるのですが」と語る。

 『名探偵コナン』は94年より『週刊少年サンデー』で連載がスタート。同誌史上最長の連載作品として現在も連載中。テレビアニメ化はもちろん、劇場版の興行収入も毎年のように過去最高記録を更新。2019年の最新作はなんと90億円を突破しており、こちらも大人気だ。

 『ドラえもん』との共通点は現在もテレビアニメが放送中で、新作映画も毎年公開されているところ。こちらも、アニメを見て「面白い!」となり、コミックスを購入する流れも想像できる。だが、担当者いわく「確かにアニメや映画で作品の魅力に触れた方が原作コミックスを読みたくなる心理は理解できるのですが、紙よりもデジタルと呼ばれる時代に、『コナン』の新しい読者も電子版ではなく紙で単行本を購入される方が多いことに驚いています」。

 「コミックス1巻を買うということは、ストーリーを順に追っていきたい読者の心理が伺え、大変うれしいことです。一方で『今から、すでに発売されている90巻以上まで紙で購入してくださるのか』と考えると、驚きもあります。保管場所を取らない電子書籍なら、気軽に1巻目から買われる方も多いと思いますが、“紙”のコミックスが売れていて、毎年増刷しているのですから」と本音を明かしてくれた。

ただ、映画やアニメにより親子ファンが増えている可能性もある。そこでここ1年の1巻目の購買層を尋ねたところ、30~40代の女性が多いとのこと。学生時代にコナンに触れていた母親が、子供と映画やアニメを見て、改めて“紙”のコミックスを親子で回し読みしているのかも知れないという。

 なお、出版科学研究所が2018年に発表した17年の漫画市場規模によると、単行本の電子書籍の売り上げが前年比17・2%増の1711億円となり、初めて紙(1666億円)を上回る結果に。紙は前年比14・4%減で過去最大の落ち込みとなり、漫画単行本の販売額が電子版が紙を初めて逆転し、デジタル化が進んでいるのは周知のとおりだ。

 そんな中で『ドラえもん』『名探偵コナン』の第1巻がフィジカルメディアで売れ続ける現状は、「うれしくもあり“謎”だらけ」とし、作品の魅力があれば“紙”も“デジタル”も関係ないことを伝えてくれた。

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最終更新:2019/12/7(土) 16:31
オリコン

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