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熱心なファンが手に入れたフェラーリ・デイトナ│長きにわたりガレージで眠る

2019/12/7(土) 21:20配信

octane.jp

1971年のジュネーヴショーでは、フェラーリのブースが大勢の客に取り囲まれていた。365GTB/4デイトナとディーノ246が発表されたからだ。誰もが1台ほしいと声をからして担当者と話し合っていたのだろうが、パトリック・シンほど熱心な客はいなかったに違いない。
 
スキー休暇を楽しんだカナダ人のシンは、トロントに帰る飛行機が遅延したため、ジュネーヴで時間をつぶさなければならなくなった。そこでエキシビションセンターへやってきたのだが、到着して数分後には、「デイトナをなるべく早く入手するにはどうすればいい。色はメタリックのボルドーレッドだ」と担当者を問い詰めていた。
 
シンは直にフェラーリから買いたかったようで、ディーラーに申し込むようとのアドバイスを受けても聞かなかった。帰国のフライトをキャンセルすると真っすぐモデナへ向かい、直接、ファクトリーにオーダーした。その際、「車は自分で取りに来る、しばらくヨーロッパをドライブしてからカナダに持ち帰る」と指示していった。

熱心なファンが手に入れたフェラーリ・デイトナ│長きにわたりガレージで眠る(写真12点)

1971年7月に、シャシーナンバー14385の用意ができると、352bhpを誇るV12エンジンを唸らせて、1カ月間にわたるヨーロッパ旅行を楽しみ、マルセイユからクイーンエリザベス2に乗ってニューヨークへ向かい、数日後にはカナダ国境に到着した。税関ではティーポ251エンジンの排ガスに係員が難色を示し、押し問答になった。だが無事にトロントのガレージにたどり着き、その後40年以上にわたって、そこを住処としてきたのである。1989年からしばらくの間、シンは仕事で香港に滞在。帰国の際に別の車を持ち帰り、以来デイトナは使われずに眠っていた。
 
推定落札価格は60万~75万ドルで、実際は77万ドルで落札された。再び走行可能な状態になっているものの、メカニカル面はさらなるレストアが必要で、外観も手を入れたほうがいいだろう。それでも素晴らしいプロジェクトになるのは間違いない。8トラックのプレーヤーには、1970年代のディスコミュージックのテープがそのまま入っている。

時間を飛び越えたコンディションとはまさにこのことだ。

Octane Japan 編集部

最終更新:2019/12/7(土) 21:20
octane.jp

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