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環境問題への配慮でワールドツアーに大きな変化も? 英バンドが科学者と連携

2019/12/7(土) 20:05配信

The Telegraph

【記者:Sarah Knapton】
 英ブリストル出身のバンド「マッシヴ・アタック」が、ジェット機で世界中を飛び回ってツアーを行いながら「(温室効果ガス排出を)相殺して忘れる」音楽業界の姿勢は地球に害を及ぼしていると警告、科学者らと連携し、業界が環境に与える真の影響を探るプロジェクトを開始すると発表した。

 英マンチェスター大学の研究チームは、マッシヴ・アタックのツアースケジュールを分析し、温室効果ガスの排出量とその削減手法を探る。研究チームは、これは観客にとって大きな変化をもたらす可能性があると指摘する。

 マッシヴ・アタックは「相殺して忘れるという考え方は、気候変動と生物多様性をめぐる緊急事態では機能し得ない」「しばらくの間、環境への影響を減らす努力を続けたものの、ツアースケジュールの中で排出される温室効果ガスや、ひいては音楽業界全体が与えるより広範囲の影響について懸念を深め、それが頭を占めるようになった」との声明を発表した。

「以前は温室効果ガスの相殺(カーボン・オフセット)や森林再生、さらには可能な限りの移動手段の変更などを行ってきた」「だが、これらの取り組みについて調べ、二つ明らかになったことがある。このようなやり方では温室効果ガスの大気への排出を減らせないこと。また、先住民や地方の地域社会に深刻な悪影響をもたらすことだ」

 最近の複数の研究によると、カーボン・オフセットの取り組みはむしろ汚染を悪化させ、地域社会に害を及ぼす可能性があるという。国連の環境問題の専門家たちは今年8月、富裕層に対し、「環境問題への良心と引き換えに」温室効果ガスの排出枠を買うのをやめるよう呼びかけた。

 欧州委員会は2017年にはすでに、温室効果ガス排出をめぐる計画を大きく転換しなければ、2020年までに35億トンが追加で排出されると警告していた。同委員会の研究によると、オフセット計画の85%が「本当の」あるいは「測定可能な」利益をもたらさないことが分かった。

 研究チームは、バンドの移動方法や演出、観客の移動手段について新たな指針を作る。この指針は今後、ツアーの開催方法を大々的に変える可能性があると指摘する。

 マンチェスター大学・ティンダルセンターの研究員クリス・ジョーンズ博士は「バンドだけでなく音楽事業や観客を含め、現在のやり方に大きな変化をもたらすだろう」と述べ、「個々のアーティストがライブパフォーマンスをやめるより、業界全体として持続的に排出量を減らした方が効果的だ」と指摘した。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:2019/12/7(土) 20:05
The Telegraph

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