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日本の読解力低下=“考えが違う人”との議論少ない? 若新雄純氏「立体的な思考が必要」

2019/12/7(土) 18:47配信

AbemaTIMES

 一方で、中国が上位を占めているように見えるのは“からくり”もあるという。

 「今回、広東省の広州市なども参加しているようだが、成績が良くなかったらしく上位にはランクされていない。中国のネットサイトなどで調べてみると、上位にランクしていなかったところについて、中国政府は公開を許可しなかったという背景があるらしい。中国の結果の良かった都市だけが表に出てきた部分が強い。OECDの調査発表が公平に行われたかどうかは疑問がつくと思う」

 とはいえ、日本の読解力が順位を落としたことに変わりはない。学校外でのデジタル機器利用状況(平日)の調査で、「コンピューターを使って宿題をする」「学校の勉強のためにインターネット上のサイトを見る」の項目で日本はOECD平均を著しく下回っている一方、「ネット上でチャットをする」「1人用ゲームで遊ぶ」の項目ではOECD平均を大きく上回っている。

 こうした結果について、慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は読解力を「立体的なもの」だと分析。「例題を見ると、違った立場や異なる視点の中から共通項を見つけ出したりしないといけなくて、関係性を頭の中で並行に並べたり上に乗せたり、前に置いたりするような立体的な思考が必要。これがなぜ日本の学校で教えづらくなっているかというと、算数や理科のように直線的な答えがあるわけではなく、これまでの会話や読んできた本から関連付けるといった複合的な力になるから」との見方を示す。

 また、読解力の低下に読書量の減少が影響しているとされることについて、「立体的な考え方を養うには、読書だけでなく人と議論することも大事だと思う。その議論というのは、違う考え方や立場について話し合って、衝突しながら新しい見解を導き出すというもので、仲の良い友達と“うんうん”と言い合うだけでは議論にならない。大人や先輩といった考え方が違う人と議論する教育の時間が減っているように思う」と指摘。そして、「インターネットも自分とは違う意見を見つけることができる場所だったはずなのに、むしろ必要なものを必要なだけ直線的に手に入れられる気楽な環境にかたよってしまった。自分が同調できるものばかりを選んでしまって、違う考え方に触れるのが面白いというムードはないかもしれない」と警鐘を鳴らした。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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最終更新:2019/12/7(土) 18:47
AbemaTIMES

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