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【PHEV版登場】 DS 7クロスバック Eテンス 環境性能も走行性能も最良のDS

2019/12/7(土) 9:50配信

AUTOCAR JAPAN

最も環境に優しく、最も俊足なDS

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
個性的なフランスブランドのDSのフラグシップモデルとなるDS 7のEテンスは、DSシリーズの中で最も環境に優しいだけでなく、最も速い足の持ち主でもある。これまでの概念で考えると少し矛盾しているように思えるけれど。

【写真】DS 7とDS3のEテンス/アウディQ5 (72枚)

DS 7クロスバックEテンスは、DSとしては待望のプラグイン・ハイブリッドを搭載した4輪駆動モデル。0-100km/h加速は5.9秒でこなしつつ、WLTP値での二酸化炭素排出量は33g/km、燃費は83.1km/Lとすこぶる良い。

SUVのプラグイン・ハイブリッドモデルは一気に一般的になりつつあり、優れた実用性や走行性能に惹かれる読者も多いだろう。ボルボXC60 T8やアウディQ5 TFSIeなども、スペック上は7クロスバックEテンスに並ぶ優れた環境性能を備えている。

一方で、バッテリーの充電量をうまくドライバーが管理できないと、実燃費は10km/Lを切ってしまう可能性があることを、最近の試乗で経験している。7クロスバックEテンスも同様だ。

搭載されている技術は、特に目新しいものではない。フロントに搭載されるのは1.6Lの4気筒ガソリンターボ・エンジン。PSAグループで共有されるユニットで、最高出力は200psに設定。そこに110psの1基目の電気モーターが組み合わされ、8速ATを介して前輪を駆動する。

もう1基の110ps電気モーターが後輪を駆動することで、4輪駆動としている。この3つの駆動源により、システム総合で300psと45.8kg-mを発生する。

気になるモーターとエンジンのバトンタッチ

電気モーターのエネルギー源となるのは、13.2kWhのバッテリー。床下に搭載され、リアシートや荷室の容量は犠牲になっていない。DSによれば、電気モーターだけで54kmから64kmまでの距離を、128km/hまでのスピードで走行できるという。

パワートレインの動きは、好奇心を掻き立てられる。低速域や低負荷時では、EVのようにスムーズで粒の揃った加速が味わえる。バッテリーをこまめに充電し、モーターの力だけで走行できるのなら、走りはかなりスムーズだ。スピードや加速度は控えめにする必要があるが。

しかし、少しアクセルペダルを深く踏み込んで4気筒エンジンが目覚めると、様子が違ってくる。まず、モーターからエンジンへ主役がバトンタッチする仕草が、シームレスではない。

1.6Lガソリンターボが主な役割を引き受け始めると、明確にパワー感が増加する変化を感じ取れる。洗練性も高いとはいえない。エンジンが穏やかに回転していても、振動がステアリングホイールに侵入し、アイドリング状態でも存在感のあるサウンドを聞かせてくる。

アクセルペダルを深く踏み込み、ATにキックオフを促すと、少し躊躇する傾向もあるようだ。ただし、今回の試乗車は量産前の段階だった。PSAグループのエンジンはしとやかで機械的に優れた傾向が高いから、今後ディーラーに届くまでに修正される可能性はあるだろう。そう期待したい。

少なくとも現状では、価格的に近似するアウディQ5 TFSIe並みの上質さには届いていないように感じた。

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最終更新:2019/12/7(土) 9:50
AUTOCAR JAPAN

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