ここから本文です

【長期テスト】スズキ・ジムニー・シエラ(1) クロスオーバー人気の中の異彩

2019/12/7(土) 10:50配信

AUTOCAR JAPAN

初回 英国編集部でも楽しみにしていた

text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

英国編集部でも4代目ジムニーの登場は心待ちにしていた。ジムニー・ファンなわたしたちは、大きなモーターショーが近づくたびに、スズキの関係者へ質問を投げかけた。「新しいジムニーとジムニー・シエラは出展されますか?」

【写真】スズキ・ジムニー(シエラ) (53枚)

そんなやり取りが長く繰り返されたが、2018年の夏、先代の発表から20年を迎える中で新しいジムニーが登場した。その姿は、期待通りにボクシーで、ファンキーでコンパクトだった。ジムニーの特徴そのままだと思う。けれどそれだけではない。

現在吹き荒れるコンパクト・クロスオーバー人気は、ジムニー・シエラには逆風状態ともいえる。同じくらい小さいクルマは他にもあるものの、その殆どはジムニー・シエラより日常的な運転に適している。しかしジムニー・シエラのストロングポイントは別のところにある。

ほぼフォルクスワーゲンUp!と同じ全長と全幅を持つ超コンパクトSUVは、一端のオフロード性能を誇るのだ。価格で比べると、ダチア・ダスターやフィアット・パンダ4x4辺りがライバル関係になる。だがオフロード性能で比べれば、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツやジープ・ラングラー当たりがライバルだ。

筆者のスズキ・ジムニー・シエラに対する記憶は、ちょっとした理由で忘れがたいものになっている。東カリブ海の島、バルバドスでレンタカーとして使い込まれたジムニー・シエラを所有していたことがある。

ボディは何色でも、ジムニーの性能は同じ

走行距離は8万kmを軽く超えていたが、タイヤはどうやら交換されていない様子。そんなクルマに乗り始めてすぐ、時速30km/h位でロータリー交差点へ進めると、今まで経験したことのない速度域でのアンダーステアに陥った。

クルマは曲がらず、そのままロータリーの中央の島地へ乗り上げた。その後、下り坂でブレーキを掛けるとホイールはロックするものの減速しないまま、坂を下っていったのだ。古いタイヤは危険だ。でも新しいジムニーなら、こんな経験はしないはず。思い出を良いものに塗り替えてくれるだろう。

しばらくの期間を掛けてロンドンの市街地だけでなく、冬の郊外やオフロード走行も試したいと思う。そして、コンパクト・クロスオーバー人気の中で、硬派な見た目の代替案として選択するに相応しいかどうか、検証してみたい。

英国の道では、ジムニー・シエラの数はまだまだ少ない。2018年に売れた台数は1200台。英国で一番人気を誇る、スズキ・ビターラ(エスクード)の10%しか売れていない。

その理由は、英国への供給台数が制限されているため。街で見かけるジムニー・シエラがほとんど白色なのも同じ理由だ。オーナーが白色を選んだのではなく、白色のジムニー・シエラが英国へ輸入されたから。

ジムニー・シエラのファンはボディカラーは気にしないらしい。何色でも同じ性能を得られるから、という考えを持っているようなのだ。他の自動車メーカーなら、ありえない話だろう。

1/3ページ

最終更新:2019/12/7(土) 11:46
AUTOCAR JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事