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“弾劾”の動きも逆にトランプに有利~その背景にある「陰謀論」

2019/12/8(日) 6:50配信

ニッポン放送

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(12月5日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。トランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾審議について解説した。

下院は民主党多数 訴追の手続きは完了する見込み

アメリカ議会下院の司法委員会は4日、トランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾審議で刑事事件の起訴状に相当する弾劾追訴状の作成に向けて「憲法上の根拠」について議論を開始した。ただ、弾劾を支持する世論はそれほど広がっておらず、トランプ大統領や与党・共和党は徹底抗戦の構えを崩していない。

森田耕次解説委員)トランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾審議で、アメリカ下院・司法委員会は法学者4人を招いて公聴会を開きました。刑事事件の起訴状に相当する弾劾訴追状の作成に向けて議論したということで、野党・民主党が招いた3人はいずれも「トランプ大統領は弾劾相当の『重罪や不品行』を働いた」という認識を示しております。弾劾手続き、これまでの言わば証拠集めから起訴状づくりへと新たな段階へ移りまして、司法委員会は訴追状の作成を急いで年内に下院本会議での弾劾訴追を目指すということです。一方、証拠集めをしてきた下院の情報特別委員会は、政府高官らの公聴会の証言などをまとめた報告書を承認して司法委員会に送ったのですが、その報告書が300ページに及んでおりまして、「大統領の不正行為」と「大統領による下院の弾劾調査の妨害」の2部で構成されているということです。この弾劾に向けた動き、起訴状づくりに進展してきましたね。

佐藤)弾劾訴追状はできるでしょうね。これは、この問題が提起されたときから民主党多数ですからこうなるのは当然で、これはベルトコンベアの上に乗って進んでいるのだと思います。

「陰謀論」で、トランプに有利に働くか

森田)この報告書では、2020年の大統領選挙で再選を狙うトランプ大統領が大統領の権限を濫用したと、政敵であるバイデン前副大統領を捜査するようウクライナに圧力をかけたのだと明示していまして、大統領選でもダメージになってくる可能性はあるのでしょうか。

佐藤)私は(トランプに)有利に働くと見ています。トランプを支持している人のなかには、(トランプの唱える)陰謀論を信じている人がいるのですよ。「ディープ・ステート(国家内国家)」というのですが、奥の国家があって、その人たちが知らないところですべて動かして、我らの代表であるトランプを陥れているのだということです。「新聞もテレビ、ラジオも支配されているから、情報が表に出てこないのは当たり前だ。真実はネットと口コミにしかない」と言うような人たちです。これが圧倒的に強いわけですよ。攻撃している側の民主党は、知識人や中産階級が多いです。しかし、確かにトランプも変なことをしていますが、バイデンの息子さんも何をやっていたのですか、という感じです。上院は共和党の方が多いですから、ここのところで、判決は無罪になる可能性が高いのですよ。そうなった場合、攻め方が悪いのだと民主党のなかで分裂していくと思うのです。最終的には民主党は勝てないわけだから、その結果をなすりつけあって分裂が深まり、トランプは「ディープ・ステート」に勝ったということでますます結束します。それが民主党の方も見えているのですよ。どうも勝ち戦にならなさそうなので、苛立ってしょうがないのです。

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最終更新:2019/12/8(日) 6:50
ニッポン放送

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