ここから本文です

経済格差などによる「絶望死」が要因か…アメリカ人の寿命は短くなっている

2019/12/8(日) 20:00配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

アメリカ人の平均寿命は3年連続で低下している。

新しい研究は、25歳から64歳までの「生産年齢」のアメリカ人が、より高い割合で死んでいるという事実を示した。

【全画像をみる】経済格差などによる「絶望死」が要因か…アメリカ人の寿命は短くなっている

この死亡には、健康上の問題の中でも特に、薬物の過剰摂取、自殺、アルコール関連疾患が関与している。

複数の専門家は、社会経済的な不平等と経済的困難がアメリカ人の死の増加の原因となっているかもしれないと見ている。

アメリカは世界で一番裕福な国だが、平均寿命の針が間違った方向に動いている。

1959年から2014年にかけて、アメリカ人の平均寿命はずっと上昇していた。しかし、『Journal of the American Medical Association』に発表された新しい研究によると、ここ3年は連続して低下しているという。

「アメリカ人は生活のさまざまな面で自分たちが優れているという誤解の下で活動している。これはその一つだ」と、本研究の筆頭著者であるスティーブン・ウルフ(Steven Woolf)氏はBusiness Insiderに語っている。

「世界で最高の医療と最高の平均寿命があると思うかもしれないが、そうではない」

この低下は、人種や性別、地域に関連しているわけではない。アメリカでは25歳から64歳までの人の死亡率が高く、オピオイド中毒、肥満、アルコール性肝疾患、自殺などの問題に悩まされている。

国民一人当たりの医療費が世界一であるにもかかわらず、アメリカ人は「他の国の人よりも65歳未満で亡くなる確率が高い。また、彼らの子どもも同様に長生きはできそうにない」とウルフ氏は付け加えた。

恐ろしい傾向

ウルフ氏と共著者のハイジ・シューメーカー(Heidi Schoomaker)氏による研究では、アメリカの死亡率データベースとアメリカ疾病予防管理センターのWONDERデータベースから、平均余命に関する50年以上に相当するデータが調査された。

その結果、1970年代には平均寿命が急速かつ大幅に伸びたことがわかった。しかし、1990年になると、その増加は横ばいになり始めた。2011年、米国の平均寿命は頭打ちとなり、3年後には低下し始めた。

「この国の寿命は『自由落下』と言えるところまで来ている」とウルフ氏。

医学の進歩、特にがん治療と心臓医療の分野の進歩が、アメリカ人の寿命を10年近く延ばした。1959年から2013年の間に、平均寿命は69.9歳から78.9歳に延びたのだ。しかし今では78.6歳に下がっている。

他の国と比較してもよくない。 1960年、アメリカ人は世界のどの国よりも平均寿命が長かった。しかし、過去数年間で、カイザーファミリー財団によると、アメリカは同じようにGDPと平均所得が高い国の中では最下位に急落した。

実際、アメリカは現在、平均余命で世界の40位台にあり、レバノン、キューバ、チリなど、GDPがはるかに少ない国の間にいる。

ウルフ氏によれば、この厄介な落ち込みは、25歳から64歳までのアメリカ人の死亡者数が増加しているという事実に関連している。

1/3ページ

最終更新:2019/12/8(日) 20:00
BUSINESS INSIDER JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事