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「人間は人を殺すことが出来る」 映画監督・森達也さん

2019/12/8(日) 12:20配信

カナロコ by 神奈川新聞

 国内外で行われてきた「虐殺」について考える学習会「虐殺の歴史を学ぶ」が6日夜、横浜市神奈川区のかながわ県民センターで開かれ、約100人が参加した。講師を務めた映画監督で作家の森達也さんは、「自らが集団の一部になり、相手を集団とみなせば人間は人を殺すことができる」と指摘。歴史を直視し、そこから学ぶ大切さを訴えた。

 「歴史を学ぶ市民の会・神奈川」の主催。横浜市教育委員会が2012年に自民党市議の圧力を受け、副読本から関東大震災時の朝鮮人虐殺に関する記述を削除するなどした問題を踏まえ、集団による暴力を繰り返さない道を考えようと企画した。

 森さんはまず、カンボジアでポル・ポト派による虐殺を伝える施設を訪れた思い出を語った。国営の同施設では、幼子のいる母親をレイプ(強姦(ごうかん))した上で殺害したことも文章で説明し、展示していたという。「見ながら思った。日本の保守的な政治家なら、日本の恥として知らせようとはしないのではないか」

 アジア太平洋戦争後、日本人には精神に変調を来した兵士が米兵に比べて少なかったことも紹介。「おそらく彼ら(日本兵)は主語を戦争に行く時になくしていた。陸軍、皇軍、日本という大きなものの一つだったのではないか」と、虐殺の背景には「集団化」があると分析した。

 さらに、日本軍の慰安婦や南京虐殺などの加害に関する記述が教科書から削除されたり、「虐殺」という言葉が使われなくなったりしている現状に言及。震災後に朝鮮人を虐殺した人も「一人一人は正義感が強かったのでは。人間にはそういうことができるのだ」とした上で、「学ばないと同じことを繰り返す。消すなどとんでもない」と警鐘を鳴らした。

神奈川新聞社

最終更新:2019/12/8(日) 12:20
カナロコ by 神奈川新聞

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