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女性従業員の「生理バッジ」着用で波紋、海外での対応は?

2019/12/8(日) 12:09配信

The Telegraph

【記者:Lizzie Roberts】
 古代ローマの作家であり哲学者だった大プリニウスは、経血に触れることは疫病の発生と同じぐらい不吉なことだと述べた。

 それから2000年ほどたった現代社会でも、世界で8億人の女性が日常的に経験する月経という自然のプロセスは、人によってはいまだどう扱ったら良いのか分からない物事のようだ。

 大阪にある百貨店・大丸梅田店が、女性従業員に「生理バッジ」の着用を呼び掛け、批判された。このバッジには漫画「生理ちゃん」のキャラクターが描かれていた。

 同百貨店の広報担当者は英BBCの取材に対し、「生理中だということを客に知らせる意図はなく」、情報共有によって「職場環境を改善する」という考えだったと説明した。

 第2次世界大戦以降、日本の女性は生理休暇を取得したり、生理期間中に痛みを増す可能性がある仕事を休んだりすることができる。

 しかし生理に関する話題は常に恥ずかしいものとして扱われ、公の場ではほとんど議論されない。多くの女性は気まずさから、生理休暇の恩恵を受けたことがない。

 善かれと思って導入された生理バッジだったが(従業員側からの提案だった)、「生理中です」と書かれた大きなピンク色のバッジを着用することが、タブー解消の適切な方法だろうか?

 日本とは違い、英国では生理休暇のような法的な権利はないが、自主的に生理休暇を導入している企業はある。ブリストルを拠点とする社会的企業(CIC)、Coexistでは女性がより柔軟に働くことができ、「より幸福で健全な職場環境を作る」ことを目的として、2016年に「生理に関する方針」を発表した。また米ナイキでは2007年から生理休暇を導入した。

 多くの女性にとって、生理は毎月のルーチンだ。一方で生理は子宮内膜症などの病に苦しむ人に、激しい痛みをもたらすものでもある。

 私の友人は生理中の痛みについて「子宮にロープを巻かれて、膣と胃で綱引きをされている気分」と説明した。果たして大丸梅田店は、バッジについて従業員が顧客に聞かれた際、ここまで詳細に説明することを期待していたのだろうか?

 友人は「なぜ同僚全員に自分が生理中だと教えなければいけないのか? 屈辱的だと思う」と続けた。「雇用主にやってほしいのは、必要なときにちょっと休めるよう、柔軟に対応してくれることだ」

 大プリニウスは生理中の女性について、まるで全能の女神のように表現した。「彼女が裸になって野原を歩き回ると、青虫やミミズ、カブトムシたちがトウモロコシの穂から落ちてきた」と述べた。確かに私たちの体は強い。しかし同僚にそれを伝えるために、バッジは必要ない。【翻訳編集】AFPBB News

「テレグラフ」とは:
1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。 「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

最終更新:2019/12/8(日) 12:09
The Telegraph

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