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孫さんとアリババ創業者の馬さん、人類の未来を語り尽くす伝説の1時間

2019/12/8(日) 10:13配信

ニュースイッチ

始まりはたったの10分、5000万ドルを持っていけ!

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は6日に東京大学安田講堂(東京都文京区)で行われた国際会議「東京フォーラム」で、中国の電子商取引最大手、阿里巴巴(アリババ)集団の創業者である馬雲(ジャック・マー)氏と対談した。孫氏が馬氏と出会い2000万ドル(約20億円)の投資を決めてから来年で20年になる。フリーアナウンサーの小谷真生子さんを司会に、20年前の出会いを振り返り、教育変革や未来へのメッセージを学生らに伝えた。

「社長を辞めるつもりだった」孫さんが一度だけ失望した出来事

小谷 「2000年に2人は出会いました。伝説的な5分間の出会いでした」

孫 「正確には10分だった。2000年はネットバブルのピークで、中国ではインターネットが始まったばかり。私は米国に投資したインターネットサービスを日本に広げていたが、次は中国だと感じていた。中国では(投資対象候補の現地IT企業)約20社に対し、それぞれ10分ずつ面会したが、なぜかジャックに強い印象を持った。他の人たちは事業計画を示し、出資を求めたが、ジャックはしなかった。未来がどうなるか、夢や哲学、理念を目をキラキラさせながら話すジャックが私の心をつかんだ。ジャックと会ってお金の話したことない」

馬 「友人に孫さんに会ってくださいと言われ、面談した。面談2カ月前に500万ドル(約5億円)を獲得していたので、それほど資金はいらなかった。孫さんには事業計画でなく、その後世界はどうなるか話した。孫さんにいくら投資してほしいと聞かれ、資金はあまりいらないと答えたら、いやいやもっと使うんだと。当時、本当にネットを信じている人が少なかった時に、インターネットが発展した未来に向け、どのように人の生活に貢献するのかという同じビジョンを持っている人を探していた。犬とオオカミは似ているが違う。同じビジョンを持った人を友という。それが孫さんだった」

馬 「孫さんとは友人のような関係、インターネットの夢実現する心の友だ。友人関係で大切なことは、お互いの得意分野と苦手分野を把握すること。孫さんは、未来に向けたビジョンがあってガッツを持って投資ができる勇気を持つ。そのような人はなかなかいない。意見が合わないわない時はけんかもするが、一緒に協力しながら未来を作っていきたい」

孫 「ジャックが得意なのは人への思いやりと人を育てること。この人はこれが得意だと見抜く力があり、その良い部分を伸ばす能力がある。各分野の優秀な人物を引き寄せて、その道の専門家に育てている。昨晩、2人だけで夕食をしたが、数時間ずっと組織論の理念を話し合った」

馬 「最高経営責任者(CEO)はリーダー。方向性を決めて将来に向かって進むため、良い部分を鼓舞しながら会社を導かねばならない。そのために適切な人材見つけて訓練して統制し、力を与える。CEOはチーフ・エデュケーション・オフィサーだと思う」

小 「10分間の出会いで馬さんの成功をどう見抜きましたか?」

孫 「ジャックが犬とオオカミは似ているが違うと言っていたが、犬は犬同士、匂いで分かる。ジャックのプレゼンテーションからは、心から情熱あふれる言葉を感じることができる。グラフィック満載の美しい資料を用いたプレゼンでなく、情熱あふれるプレゼンがほしい。プレゼン資料を用意せず、信念と情熱、ファイティングスピリットあふれるジャックのプレゼンを5分聞くだけで成功を確信した。私のお金持っていけと思い、残り5分は彼にいかに資金を受け取ってもらえるか説得した」

馬 「孫さんからは5000万ドルと言われたけれど、その10分の1で大丈夫と言った。今までそんなお金見たことなかった。4000万、2000万ドルと下げていき、2000万ドルで落ち着いた。私は顧客が第一、次が従業員、投資家は3番目だと言っている。だからパワーポイントによるプレゼンはしない、投資家が好むプランを作ることはやらないと言っている」

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最終更新:2019/12/8(日) 10:33
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