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なぜ外国人はすぐ辞めるのか? 彼らが日本企業をあきらめた、本当の理由。

2019/12/8(日) 11:45配信

ハフポスト日本版

外国人労働者の受け入れ拡大に向けた「改正入管法」が成立して12月8日で1年。 外国人労働者の受け入れが進む中、「外国人はすぐやめる」という声をしばしば耳にする。

実際、様々な理由で辞めてしまう外国人はあとを断たない。技能実習生に対する待遇の問題は言うに及ばず、日本で学位を取得した留学生であっても、日本企業の社風に馴染めず離職する割合は高い。(2006年を最後に同様の調査は実施されていないが、外国人労働者の2006年時点での離職率*1は44.5%だ。)

アメリカ、オーストラリアでの海外生活を経て、現在は日本で翻訳などの仕事をする筆者の周りでも、日本企業を辞めて独立したり外資系企業に転職したりする外国人は珍しくない。

母国語に加え日本語・英語を流暢に話し、成長意欲も高く、日本に根を下ろして生きていきたいと希望している、まさに日本企業が求める「グローバル人材」。日本の煩雑な「シューカツ」をくぐり抜け、自分の強みを活かせるようなポジションを勝ち取ってもなお、半年や1年といった短い期間で彼らに退職を決断させてしまうのは、一体どこに原因があるのだろうか? 

こうしたミスマッチを防ぐために、留学生と企業とは、どう歩み寄るべきなのだろうか? 世界各地から日本にやって来た外国人労働者たちの声を聞いた。

(プライバシーに配慮し、文中の名前は全て仮名を使用)

「やめたくてやめるんじゃない」出せなかった、社長への手紙

まず話を聞いたのは、中南米出身の30代、ダビドさん。日本の大学院でMBAを取得し、食品・飲料業界の中堅メーカーに就職した。創業100年を超える老舗企業である。語学力を生かして海外市場を開拓する営業職は、ダビドさんがやりたかった仕事だった。しかし入社してみると、ほとんど何の研修も指導も受けさせてもらえず、困惑したと言う。

「配属先の海外営業部に外国人は僕1人。みな、僕をどう指導したらいいのかわかっていない感じでした。明確な目標も戦略も無く『自分で考えて』と丸投げ。僕の担当は新規市場でしたが、他の地域でのノウハウややり方を教えてくれたら、応用ができたはず。いきなり一人で営業して来いと言われて、自分のやり方が正しいのかわからず、すごく不安でした。国内営業担当の他の新人は、先輩に同行して指導してもらっていたのに…」

なんとか状況を打開しようと、ダビドさんは真剣に上司に相談した。しかし、事態が好転するどころか、そこから上司の“パワハラ”が始まった。

「上司からは常に、僕の仕事を責められ続けました。『お前が入って来てから、トラブルばかりだ!』と怒鳴られたり、見込み客を見つけて来ても『信用が低い企業だ』などと理由をつけて、サンプルを送らせてくれなかったり。僕がやることを却下するばかりで、どう改善すればいいのか教えてくれなくて。信頼していた上司にことごとく否定され続け、当惑し、悲しくなりました」

もっともショックを受けたのが、ビザの更新について相談に行った時だったという。

「1年間のビザしか出せないと言われて、もう少し長い期間のビザはもらえないのか、相談しに行ったんです。そうしたらいきなり、『文句があるなら辞めろ』と言われました」

話し合いの余地の無い上司の態度と、頼んでも教えてくれない周囲からのサポートの無さに、ダビドさんは泣く泣く退職を選んだ。

「あまりにも理不尽だと感じたので、退職する前に社長宛ての手紙を書きました。やめたくてやめるわけではないということを訴えたかったのです。でも…出せなかった。出したところで、戻れるわけではないと思ったから」

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最終更新:2019/12/8(日) 15:48
ハフポスト日本版

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