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禁止された体罰「全てやったことあります。親も人間です」 ガイドラインに賛否の声

2019/12/8(日) 10:13配信

弁護士ドットコム

しつけのために、子どもを叩くことはやむを得ないのでしょうか? どのような行為が体罰に当たるのか、国が示したガイドライン案に対し、ネットでは賛否両論の声があがっています。

厚生労働省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」は12月3日、ガイドライン案をまとめました。これは今年6月に改正された児童福祉法などに、親による子供への体罰の禁止が明記されたことを受けたものです。

ガイドラインでは、今回の法改正による体罰禁止は「体罰などによらない子育て」を推進するためのものだとし、以下のような事例は全て「体罰」と示しました。

・口で3回注意したけど言うことを聞かないので、頬を叩いた ・大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた ・友達を殴ってケガをさせたので、同じように子どもを殴った ・他人のものを盗んだので、罰としてお尻を叩いた ・宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった

一方で、子どもを保護するために行った「道に飛び出しそうな子どもの手をつかむ」や他の子どもに被害を及ぼすことを制止する行為は、体罰に該当しないとしました。

加えて、怒鳴りつけたり、子どもの心を傷つける暴言なども、「子どもの心を傷つける行為」と明記しました。

●「痛みを知らない子には理解ができない」

弁護士ドットコムニュースのLINEの登録者に、このガイドライン案についてどう思うか尋ねてみました。

子どもが2人いる東京都の女性(39)は、ガイドラインに示された「体罰」の例について、「全てやったことがあります」と打ち明けます。

「怪我をさせるまでいかない程度であれば、絶対にしてはいけないとは言い切れない」といい、「親も人間です。自分の育った環境や性格によって、言葉でうまく叱れない人もいます」と話します。

5月に第一子を出産したと言う東京都の30代女性は、子育てを経験し「子どもは千差万別である」と実感するようになったそうです。

試行錯誤を続けなければいけないと痛感しつつも、「痛いからだめだよといっても、痛みを知らない子には理解ができないと思います」と時には手が出てしまうことへの理解を示しました。

●かつては叩いていたが、やめた人も

3人の子どもがいる東京都の男性(38)は、「過去に子どもに手を出したことがあるが、今はしていない」と話します。過去には、子どものイヤイヤ期に、手や頭をパシッと平手打ちしたり、長男が妹に手をあげた時に、ゲンコツをしたりしたことがありました。

しかし、育児や教育に関する本を読んで「体罰は子どもの未来への能力を奪う行為」だと知り、トライアンドエラーを繰り返しながら、手をあげることをやめたそうです。

東京都の40代男性は、子どもが小さい頃は言葉で説明しても通じないため試行錯誤したそうですが、娘も小学2年生になり冷静に諭すように心がけています。加えて「怒るときは『そのこと』を注意して、人格そのものの否定にならないように特に気をつけています」と話していました。

●親から暴力受けた人の声「体罰は必要ない」

自身が虐待、体罰を受けた経験から、体罰禁止を強く訴える声も複数寄せられました。

子どもの頃から虐待を受け、現在も精神科で治療を受けているという岐阜県の女性(42)は、「体罰は、育児やしつけに必要のないものであると声をあげたいです」と訴えます。

また、過去に親から殴られたり髪をつかまれたりした経験のある20代女性は、「もっと早く国が主導して欲しかった」としつつ、今回の国の動きについて「暴力によらない子育てをようやく国が推進することになり、暴力を受けてきた立場としては少しほっとしています」と語ります。

父や母から暴力を受けた熊本県の40代女性は、親の行為について「言うことを聞かせるには、他に方法を知らなかったんだろう」と振り返っています。そして「次の世代の私たち以降は、肉体的精神的暴力を行使せず人格を尊重して対話していくスタイルが求められると思っています」とこれからの社会が変わる必要性を訴えました。

皆さんは、国の検討会がガイドラインで具体的に体罰の例を示したことを、どう思いますか? コメント欄でご意見をお待ちしています。

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:2019/12/8(日) 10:13
弁護士ドットコム

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