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今年もまだ一波乱あるのか? 年末までのリスクイベントとシナリオをチェック! 

2019/12/9(月) 12:00配信

MONEYzine

■今年もまだ一波乱あるのか? 12月の重要イベントをチェック! 

 今年も残り1か月少々となりました。昨年末の急落を経て始まった2019年の株式相場は、米中通商問題をめぐる混乱はありましたが、それを懸念したFRBや各国中銀の金融緩和の甲斐もあり、ここまでのところは大きく上昇しています。

 年末に向けて引き続き上昇傾向が続くことが期待されますが、12月には相場に影響を及ぼす可能性のあるイベントが多く予定されており、その内容次第で相場環境は大きく変わってしまうかもしれません。

 2019年を安心して締めくくるためにも、事前にそのイベントの内容と、想定されるシナリオやその対策を考えておきましょう。以下の表は、2019年12月に予定されている政治・経済イベントのうち、筆者が重要と考えるイベントをピックアップしたものです。

 これらのイベントから、2つの重要イベントについて概要とシナリオをご紹介します。

■英国総選挙(12月12日)

 英国では過去5年で3回目となる総選挙が行われます。EUからの速やかな離脱を掲げていたジョンソン首相は、EUとの間で離脱協定案合意にこぎつけましたが、議会の承認を得ることができず、やむをえず総選挙に打って出ることになりました。もちろん争点の中心は「ブレグジット」となっており、実質的に2回目の国民投票の様相を呈しています。

 ジョンソン首相率いる与党保守党は単独過半数を獲得し、離脱協定案の議会承認を得ることが目標となります。立候補をする保守党議員は当選後にジョンソン首相の離脱協定案に賛成の制約を行っており、保守党が勝利した場合には比較的スムーズに離脱を迎えるものと考えられます。

 現在の支持率では、保守党が最大野党・労働党を大きく上回っていると報じられており、またブレグジットを唯一かつ最大の公約に掲げるブレグジット党も保守党との共闘姿勢を明らかにしています。最も可能性の高いシナリオと言えるでしょう。

 逆に、労働党が勝利した場合は大きなリスク要因となりそうです。労働党のコービン党首は、勝利した場合に現在の離脱協定案を破棄しEUとの再交渉に臨むことや、その結果を踏まえて再度の国民投票を行うことなどを公約として掲げています。

 一方で、EUは再度の交渉や離脱期限の延長に応じない姿勢を示しており、公約が実現できるかには疑問が残ります。また、コービン首相は大企業や富裕者層に厳しい考え方を持っており、英国の経済成長をスローダウンさせる可能性も否定できません。ただ前述の通り、労働党は支持率で保守党に後れを取っていると報じられており、労働党政権誕生の可能性はあまり高くないと言えるかもしれません。

■総選挙後の現実的なシナリオと対策

 より現実的なリスクシナリオとしては、保守党、労働党を含めてどの政党も過半数を獲得することができず、ハングパーラメント(宙づり議会)となることでしょう。保守党が他党と協定案の承認で協調できなければ、議会の膠着が続くことになり、1月末に「合意なき離脱」を迎えてしまう可能性もゼロではありません。

 いずれの結果になった場合でも、英ポンドをはじめ為替相場が大きく変動する可能性があります。為替相場の変動に投資をする方法としてはFX(為替証拠金取引)が有名ですが、FXは相場が思わぬ変動をした場合に、ポジションが強制的にロスカットされたり、追証を請求される可能性があります。必要以上の損失を防止するためにも、今回のような大イベントの前にはFXなど証拠金取引のポジションは決済しておくほうがよいでしょう。

 ただ、同じくレバレッジ効果のある商品でもeワラントは最大損失が投資元本までに限定されているので、イベント時の投資でも比較的安心して取り組めるのではないでしょうか。

 たとえば、英国総選挙の結果を受けて英ポンド対円相場が上昇すると思えば、英ポンド(リンク債)を対象とするコール型eワラントを、下落すると思えばプット型eワラントを買い付けておくのも一手です。

■日銀金融政策決定会合(12月18日~19日)

 日銀は前回の同会合で現状の金融緩和策を維持したものの、フォワードガイダンスを変更し、必要に応じて追加緩和を行う方針を強調しました。前回の会合から1か月半を経て、金融政策当局者の見方にどのような変化が現れているかに注目が集まるところです。

 次回12月会合の見通しについては、物価安定目標(2%)には届いていないながらも、現在の市場環境(株価、金利動向など)を見る限りでは、今回も金融政策は現状を維持することがメインシナリオとなるでしょう。

 より注目が集まると考えられるのは、黒田日銀総裁の記者会見でしょう。日銀はETFの買い入れを行っていますが、その頻度および年間の買い入れ額が減衰していることが市場の注目を集めつつあります。記者からの質問に対し、黒田総裁の回答によっては、日銀の「ステルス・テーパリング」が意識されることにもなりかねません。

 日銀の金融政策発表や黒田総裁の会見を受けて株式相場が大きく変動すると考えるのであれば、日経平均を対象とするコール型/プット型eワラントなどに投資妙味がありそうです。

*本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

(eワラント証券 投資情報室長 多田 幸大)

最終更新:2019/12/9(月) 12:00
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