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台湾漫画史の発展に寄与、武侠など多数発表 許貿淞さん死去、82歳

2019/12/9(月) 18:32配信

中央社フォーカス台湾

(台北中央社)武侠漫画などを多数手掛け、台湾の「国宝」漫画家とされる許貿淞(本名・許松山)さんが7日夜、新北市内の自宅で亡くなった。82歳。

1950~60年代、「神拳流星」「武林皇帝」など数々の武侠漫画で人気を博した。だが、戒厳令を敷いていた国民党政権は60年代に入ると、漫画の検閲を強化。多くの漫画家が業界を離れることを余儀なくされたが、許さんはギリシャ神話や童話などを題材に創作を続け、70年代には宗教漫画を描くかたわら、後進の育成にも努めた。

生前、政府の検閲制度はまるまる1世代の台湾の漫画家の創作を殺したと嘆いていた許さん。国民党に抗議の手紙を送った経験もある。検閲に加えてテレビの普及の波も押し寄せ、台湾の漫画業界は衰退し、許さんは経済的に困窮した。87年に戒厳令が解除され、自由に創作できる時代を迎えると、2017年には許さんの台湾漫画史への貢献が評価され、漫画業界で最高栄誉とされる「ゴールデン・コミック・アワード」(金漫奨)で特別貢献賞を受賞した。

昨年には10年を費やして完成させた大作「佛祖傳」を発表。釈迦の生涯を描いた作品で、出版には文化部(文化省)の支援を受けた。許さんの訃報を受け、鄭麗君文化部長(文化相)が深い哀悼の意を表した。

(陳家瑜、陳秉弘/編集:楊千慧)

最終更新:2019/12/9(月) 18:32
中央社フォーカス台湾

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