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苦境の韓国産養殖ヒラメ 寄生虫「クドア」引き金、日本向け輸出減

2019/12/9(月) 11:47配信

みなと新聞

 韓国の代表的な養殖魚であるヒラメが苦境に立たされている。2010年にヒラメに生息する寄生虫「クドア」が食中毒の原因であることが発覚。以降“お得意さま”だった日本向け輸出は減少傾向にある。また近年は頼みの綱だった韓国内でも輸入魚に押され需要が停滞し、価格が下落。来年の需給調整のため最大産地の済州島(済州市)では自治体が関与し、一部処分が行われた。冷え込んだ消費を取り戻そうと、現地では日本以外の販路を模索する動きが出ている。

 日本の韓国産ヒラメの輸入量は10年ごろに4000トン近くを記録し、その後「クドア」による食中毒の被害から減少の一途をたどる。済州島では官民共同で検査体制を強化するなどの取り組みを続けてきたが、思うように輸出は伸びなかった。

 現在の日本市場での韓国産ヒラメは散発的。卸売市場の相場は前年同期比1割安となっているが、「販路が元から限られており、入荷こそ前年よりやや多いが動きは鈍い」という。

 済州市の自治体である済州特別自治道は価格の下落を受け10月、1尾400~600グラムの中型サイズのヒラメ200トン分の処分を発表。これは来春には1キロアップに育つ予定だったサイズだ。需給調整と一時的な基金を運用する委員会を開き、生産組合らと緊急支援を行う事態となった。

サーモン人気 韓国内の需要も減

 魚食が盛んなはずの韓国でヒラメの消費が冷え込んでいるのはなぜか。実のところ、韓国では外国産の魚が多く出回っている。「以前まで韓国では刺身=ヒラメだったが、現在はノルウェーサーモンや活魚のブリが人気。サーモンに至っては食べ放題の店が増えている」(関係者)のが現状だ。「ヒラメの生産量が増えて価格が下がっても消費者があまり感じていない」という。

 18年の韓国の大西洋サケ(アトランティックサーモン、生鮮・冷蔵の合計)の輸入量は前年比25%増の2万362トン。19年1~10月累計も前年同期比23%増の1万8558トンと勢いを増す。活魚のブリは18年輸入量が2・1倍の1574トン。1~10月は830トンと6・9%増のペース。そのほとんどが日本産となっており、急増の原因はマダイとブリの検疫検査が簡素化されたためだ。

 ヒラメの需要縮小を懸念し、済州特別自治道によると韓国からの水産物輸出が増えているベトナムにヒラメを売り込もうとする動きが出ている。同国への済州島からの輸出は17年に39トン、18年に71トン、19年10月末累計で103トンと拡大している。来年は仁川に置くヒラメ輸出のための物流センターが本格的に設置される予定となっており、完成すれば米国やカナダ、ベトナムなどにヒラメを輸出する計画だ。

[みなと新聞2019年12月6日付の記事を再構成]

最終更新:2019/12/9(月) 11:47
みなと新聞

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