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国内110銀行(2019年9月中間期単独決算)「リスク管理債権状況」調査、貸倒引当金の積み増し行が63行、リーマン・ショック直後の水準に

2019/12/9(月) 13:30配信

東京商工リサーチ

 国内110銀行の2019年9月中間期で、倒産などで債権が回収できなくなる貸倒損失に備えて計上する「貸倒引当金」は合計2兆6406億円(前年同期比2.3%増)だった。貸倒引当金を積み増したのは大手行4行、地方銀行43行、第二地銀16行の63行で、前年同期の34行から1.8倍に増えた。低金利で収益環境が厳しいなか、信用コストの上昇が銀行の新たな負担になっている。
 「リスク管理債権」は6兆5403億円で、前年同期比5.1%増だった。9月中間期としては2012年9月中間期以来、7年ぶりに前年同期を上回った。伸び率ではリスク管理債権が貸倒引当金を2.8ポイント上回り、将来の貸倒引当金積み増しにつながる可能性もある。リスク管理債権の増加は、大手行6行、地方銀行30行、第二地銀15行の51行で、前年同期(28行)の1.8倍に増えた。
 一方、「貸出金」残高の合計は539兆6799億円(前年同期比1.5%増)で、9年連続で増加した。調査を開始した2008年以降、9月中間期としては貸出金残高の最高額を更新した。
 ここにきて企業業績は二極化が鮮明となり、人件費上昇などでキャッシュ・フローが悪化する企業も少なくない。こうした背景から銀行は債務者区分の見直しなどを進め、2019年9月中間期に貸倒引当金を積み増した銀行が大幅に増えた。

※ 本調査は、国内110銀行の2019年9月中間期決算(単独)で、「リスク管理債権」(破綻先債権、延滞債権、3カ月以上延滞債権、貸出条件緩和債権)、および「貸倒引当金」を集計し、分析した。
※ 銀行業態は、1.埼玉りそなを含む大手行7行、2.地方銀行は全国地銀協加盟行、3.第二地銀は第二地銀協加盟行。

◇リスク管理債権 7年ぶりに増加
 110行の2019年9月中間期の「リスク管理債権」は合計6兆5403億円だった。前年同期6兆2189億円より3214億円(5.1%増)増加し、9月中間期では7年ぶりに前年同期を上回った。
 シェアハウス問題でリスク管理債権が大幅増のスルガ銀行を除く109行の「リスク管理債権」の合計は6兆1413億円で、前年同期5兆9438億円に比べ1974億円(3.3%増)増だった。
 貸出金に占めるリスク管理債権比率は1.2%で、前年同期(1.1%)比0.1ポイント悪化した。
 「リスク管理債権」の内訳は、「破綻先債権」が2,338億円(前年同期比5.6%増)、「延滞債権」が4兆8426億円(同3.5%増)、「3カ月以上延滞債権」が645億円(同20.4%増)、「貸出条件緩和債権」が1兆3986億円(同10.5%増)だった。
 「リスク管理債権」の半期ごとの前年同期比では、2018年3月期12.6%減→2018年9月中間期8.5%減→2019年3月期0.2%減→2019年9月中間期5.1%増と、増加に転じた。また、「貸倒引当金」合計は、2018年3月期15.1%減→2018年9月中間期8.0%減→2019年3月期0.1%増、2019年9月中間期2.3%増と、2期連続で前年同期を上回った。
 業績改善が遅れた企業、先行き不透明な企業が増え、2009年3月期以来、「リスク管理債権」と「貸倒引当金」はそろって前年同期より増加をたどっている。

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最終更新:2019/12/9(月) 13:30
東京商工リサーチ

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