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ヘリポート変更で急患搬送に時間 代替建設で県と市が対立 着地点見えず

2019/12/9(月) 5:10配信

沖縄タイムス

 石垣島周辺離島からの急患輸送で海上保安庁ヘリコプターの降りる場所が6日以降、新石垣空港内の航空基地に変更された。沖縄県立八重山病院に隣接する旧空港跡地の真栄里ヘリポートは、石垣市役所新庁舎建設工事の本格化で運用が困難に。搬送時間が13分程度延び、命を預かる同病院は反発する。市と県は共に病院周辺に代替を確保する必要性については一致しているが、設置主体を巡って意見が対立するなど着地点は見えない。(八重山支局・粟国祥輔)

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 「病院隣接ヘリポートは、治療に当たる医師たちの安心感だった。それが遠くなると、当院の医師はヘリに乗る判断をしなくなると思う」。篠﨑裕子院長は5日、ヘリポートを管理する市消防本部から変更の説明を受けた場で、懸念を強調した。その上で「石垣市が主体となって代替地を考えるべきだ」と怒りをぶつけた。

 市消防本部もやり返した。災害拠点病院の要件の一つ「敷地内に離着陸場を有すること」との規定を挙げて、整備の責務は県立病院の運営主体である県側との考えを伝えた。

 篠﨑院長は「永久的に使えるヘリポートがあると思って引っ越してきた」と反論し、議論は平行線に。

 市幹部は「ヘリポートを造ったことが、市にとってあだになった」と認める。

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 ヘリポートは県への要請を経て2014年3月、国庫補助を活用して旧空港跡地に設置された。急患の搬送はもともと旧空港で担っていたため、13年3月の新空港開港後も、迅速な搬送体制を維持する必要があったからだ。

 県医療政策課は国庫補助の性質上、ヘリポートを「処分制限期間まで使うのが前提。暫定的なものではない」との認識を示す。市大川にあった旧八重山病院も、ヘリポートの恒久的な運用を前提に18年10月、近接する現在地に新築移転した。

 県病院事業局によると、ヘリポート建設前の基本構想段階では、施設内に離着陸場を設ける考えだったが「(近い場所に)国庫で造られたヘリポートがあることを加味した。造れば事業費の重複にもなる」と理由を説明する。

 一方、市側は「環境の変化が考慮されていない」と不満を表す。周辺は新庁舎だけでなく今後、跡地利用計画に向けて土地区画整理事業が進む。

 ヘリポート新設に向け、県側が市の都市計画見直しを主張していることには「新庁舎を造るなということか」と憤る。「広域的な離島急患搬送は県の責務だ。当事者意識を欠いている」とけん制した。

最終更新:2019/12/9(月) 5:10
沖縄タイムス

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