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ウォール街をユニコーン企業の投資家が敬遠-IPO幹事の役割低下も

2019/12/9(月) 9:56配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 新規株式公開(IPO)で実際に手に入れる資金を増やす新たな方法を協議するため、全米からベンチャーキャピタルや起業家が参集した。この会場に、IPOを長らく取り仕切ってきたバンカーらは招待されなかった。

会場はIPOへの新たな協議が持たれることで有名なサンフランシスコのパレス・ホテル。9月の会合では、シリコンバレーのユニコーン(企業価値10億ドル以上の未公開企業)を陰で支えてきた投資家はウォール街に背を向けていた。IPOで銀行が徴収する多額の手数料に対する嫌気や、手っ取り早く利益を稼がせるため起業家を不当に扱い、IPO価格を過度に低く設定しているとの疑念からだ。

こうした不満は数十年前からあったが、ついに解決策が見つかったかもしれない。直接上場(ダイレクトリスティング)と呼ばれる手法がそれで、2018年にこの手法を利用した音楽配信サービスのスポティファイ・テクノロジーは、ウォール街の幹事会社に高い手数料を支払って行うのと同じくらいスムーズに上場が果たせることを証明した。

米国のIPO引き受けに極めて強いゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーの2社は、IPO市場でのプレゼンスを維持する狙いから直接上場のシステム構築を後押ししている。だが、サンフランシスコの会合は、銀行の関与を抑えたいとシリコンバレーの大半が考えていることを明確にした。

シリコンバレー関係者が代わって大きな役割を期待しているのは、既存のIPO幹事業務ではほとんど存在感のないシカゴのシタデル・セキュリティーズだ。

19年にやはり直接上場を選択した米スラック・テクノロジーズも直接上場により一般的なIPOに比べて上場費用を3分の1程度抑えられただろうと、このIPOに関与したバンカーらは話す。

マーケットメーキングのテクノロジーに強みを持ち、株式の過半数を富豪のヘッジファンド投資家のケン・グリフィン氏が握るシタデルは、企業への上場支援を増やし顧客拡大につなげたい考え。ただ、目標は上場支援に関して銀行と協力していくことで、競合することではないとしている。

原題:One of Wall Street’s Most Lucrative Businesses Is at Risk(抜粋)

(c)2019 Bloomberg L.P.

Sonali Basak

最終更新:2019/12/9(月) 9:56
Bloomberg

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