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高度なデジタルマーケ実現のために超進化したAdobeの新タグマネ「Launch」を調べていたら「データ活用の未来」が見えてきた

2019/12/10(火) 7:06配信

Web担当者Forum

「タグ管理システム」「タグマネージャー」と聞くと、「HTMLを直接修正したりCMSの設定を変えたりしなくても、広告や解析のJavaScriptタグを管理画面から自由に設定できるようにするツール」のことだと考える人が多いだろう。

筆者もそういう認識だった。しかし今後は、そうした認識のままでいると時代に乗り遅れてしまうかもしれない。

というのも、「タグ管理」に加えて、

・各種システムをつなぐデータ連携支援
・高度なデータ取得や処理の設定支援
・システムとして信頼性を確保した開発と運用の支援

などの機能によって、デジタルマーケティングの推進を加速させる新たなプラットフォームが生まれてきたのだ。

そのプラットフォームとは、アドビ システムズが次世代のタグ管理システムとしてリリースした「Adobe Experience Platform Launch」だ。この記事では、Launchがどのように進化したのか、そして、その進化が必要とされた企業のデジタルマーケティングの変化と未来を解説する。

※以下の本文では「アドビ システムズ」を「アドビ」、「Adobe Experience Platform Launch」を「Launch」と省略して表記する。

 

デジタルマーケティングの進化とともに変わり続けるタグ管理システム

■ 初期は保守運用のためだったタグ管理システム

企業のマーケティング活動において、顧客行動などのデータを取得する動きはどんどん加速している。そのために、

・広告の計測用タグ
・アクセス解析タグ

など、役割の違う複数のマーケティングソリューションの計測タグを自社サイトのコンテンツに設置することは、いまや普通となった。

各マーケティングソリューションの計測タグは、当初はWebサイトのソースコード(HTML)に直接記述(ベタ張り)していた。

しかし、記述するタグが増えるにともない、計測タグをCMSのように一元管理するツールとして「タグ管理システム(タグマネージャー)」が誕生した。これは、HTMLファイルやテンプレートファイルを編集するのではなく、タグ管理システムのUI上でさまざまなタグを追加したり更新したりできるツールで、

・どのページにどの計測タグを使っているのかの管理
・制作会社や情シスに依頼せずマーケターがタグを自由に変更

といったことを実現でき、保守運用面に役立つものだった。


■ デジタルマーケの現場はさらに複雑化

しかし、デジタルマーケターの役割は、単に「データを取得する」ではない。

本当に実現したいのは、「データを使ってビジネスを改善する」ことだ。具体的には、それぞれのマーケティングソリューションで得たデータをつなげて「個」のデータを拡張し、

・パーソナライズ施策の成功率を上げる
・チャネルを横断した施策の成果を判断する
・よりLTVの高い施策を見いだす

といったデータ活用である。

そのため一部の先進的なタグ管理システムは、データを収集・結合・加工して各種ツールに受け渡すという重要な役割を担うように進化していった。

とは言うものの、タグ管理システム内での処理はおもにJavaScriptによって行われるのだが、そのデータ処理は単純なものではない。開発においては、サイトやAPIの機能と密接に連携する必要があるうえに、次に示すようなことも考慮する必要がある。

・エラー処理
・パフォーマンス
・セキュリティ
・ブラウザ互換性

となると、結局はシステム開発と同様に慎重に扱う必要があり、運用は社内情報システム部門のエンジニアが担当し、マーケッターが直接触れることは少ないというのが実情だろう。


■ 次世代のタグ管理システムはデータ連携の困難性を解決し、デジタルマーケティングをさらに加速させる役割へ

デジタルマーケティングの全体像が巨大かつ複雑になり、ソリューションが進化し、収集するデータの種類も量も膨大に増えるなかで、タグ管理システムが果たせる「次の進化」は何か。

そのタイミングでアドビが出した回答の1つが、この記事で紹介しているLaunch(ローンチ、正式名称は「Adobe Experience Platform Launch」)だ。

Launchは、Adobe Experience Platformにおいて、複数のテクノロジーを連携させて顧客体験を改善してくための製品として提供されているもの。これまでも「計測タグの保守・運用」のためのツールとして提供されていたのだが、2019年のアップデートで「迅速かつ簡易にデータ連携を支援する機能」が追加されたことにより、タグ管理システムの果たす役割を劇的に変えた。

データ連携といえば、これまではJavaScriptやサーバー側のシステムによって処理するケースが多かっただろう。しかし、新しいLaunchを使えば、プログラミングやシステムに明るくないマーケッターでもある程度触れられるレベルとなっている。

思い出してみてほしい。昔のタグ管理システムは、「ページに計測タグを埋め込む・更新する・管理する」ことの自由度を、制作会社やシステム部門の手からマーケッターの手に渡した。それと同様に、Launchは「複数のシステム間でデータを連携させる」ことの自由度をマーケッターの手に渡すのだ。

いずれも、社内の情報システム部門や外部のシステム会社に依頼する時間やコミュニケーションコストを短縮し、企業がマーケティング活動を進化させるスピードをアップさせる効果があることがわかるだろう。

では、Launchはタグ管理システムの何を進化させたのか? Launchの主な新機能として、「エクステンション」と「ワークフロー」の2つを解説する。

 

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最終更新:2019/12/11(水) 20:46
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