ここから本文です

大火防げ!IoT活用スプリンクラー開発 新潟出身の院生、糸魚川大火を教訓に

2019/12/10(火) 7:12配信

47NEWS

 首里城(那覇市)の火災を機に、改めて注目されている木造文化財の防火対策。金沢市内には観光客に人気の「ひがし茶屋街」や「武家屋敷跡」をはじめ、藩政時代や明治期に建てられた「金澤町家」が数多く現存している。こうした歴史的木造建築物やそこで暮らす人たちを守ろうと、金沢大大学院1年の田中裕之さん(23)が防災関連企業や市消防局と協力し、IoT(モノのインターネット)を活用した防火装置システムの開発を進めている。(共同通信=高山未来)

 ▽第2の糸魚川大火を起こさない―

 新潟県燕市出身の田中さんは金沢大に進学し都市計画を専攻。誰もが住みよいまちをつくりたいと学びを深めていた2016年12月、同県糸魚川市の木造住宅が密集する地域で、後に「糸魚川大火」と呼ばれる大規模火災が発生した。1軒のラーメン店から出た火は、約30時間燃え続け、約4万平方メートルを焼き尽くした。

 当時2年生だった田中さん。防災や防火にも関心があったことから、数日後には火災現場を訪れた。

 「これほど技術が発達した現代なのに、どうして食い止めることができなかったんだ…」

 一面焼け野原になった光景を目の当たりにし、ぐっと悔しさがこみあげた。

 「第2の糸魚川大火を起こさない」

 金沢に戻ると、木造建築や歴史的建造物を火災から守るため、延焼リスクの研究が新たなテーマとなった。

 ▽「加賀鳶IoTスプリンクラー」

 金沢市内は空襲を免れたため、戦前からの木造建築が多く残る一方、消防車両が通れない狭い道も多い。武士や町人の邸宅だった金澤町家は、地元住民らが保全に取り組むが、火災を含めた防災対策が長年の課題になっている。

 道幅を広げたり壁を改修したりする方法は時間も費用もかかるため、田中さんは、屋外に設置し、火災発生時に周囲への延焼を防ぐスプリンクラーを考案した。

 昨年5月に「田中ミスト製作所」を設立。市消防局や消防装備のメーカーに協力を仰ぎ、「加賀鳶(とび)IoTスプリンクラー」の試作品第1号を製作した。

1/2ページ

最終更新:2019/12/11(水) 12:48
47NEWS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事