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1年で230万人集客 順路なし、あえて“さまよう”美術館に外国人観光客の行列ができる理由

2019/12/10(火) 8:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 真っ暗闇の中へ一歩踏み出すと、足元で花が咲き、手元で蝶が舞う――。デジタル技術で実現した、不思議な「体験」を提供する美術館が注目を浴びている。

【施設内の様子。ランプと鏡で不思議な空間をつくり出す部屋】

 2018年6月に東京・お台場に誕生した「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless(森ビルデジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス)」だ。森ビルと、アートコレクティブの「チームラボ」が共同で運営している。オープン後1年間の来館者数は約230万人。東京国立博物館や金沢21世紀美術館などに並ぶ国内トップクラスの動員を記録したという。

 なかでも、外国人観光客の来館が多いことが大きな特徴だ。訪日外国人は全体の約5割を占め、160カ国以上から訪れている。アンケート調査によると、外国人来館者のうち、同館を“目的”として東京を訪れた人が5割に上るという。

 わずか1年で、東京の新たな観光名所として国内外で知られるようになったのはなぜか。高い集客力の理由について、企画運営を担う森ビルに聞いた。

「今、東京に何が必要か」と新施設を企画

 ゆりかもめの青海駅から、施設に向かって歩いていくと、次第に外国人の姿が増えていく。エントランスに着いたときには、平日だったこともあり、日本人よりも外国人が多いようにも見えた。訪れた人たちは、続々と入館待ちの行列に加わっていく。

 外国人観光客の比率の高さについて、施設の立ち上げを担当した、新領域企画部の杉山央氏は「当初、すぐには高くならないだろうと見ていた。いずれは30%にしたいと考えていた」と話す。実際には、わずか3カ月で30%となり、今では訪日外国人の客が約50%を占める。

 同館はなぜ生まれたのか。そこには、森ビルの「東京」に対する視線がある。「東京をニューヨークやロンドン、シンガポール、香港などに負けないような魅力ある都市にしていくことを常に考えている。(東京五輪が開催される)20年を目前に控え、『今、東京に何が必要か』という視点で、新しいコンセプトの施設を企画した」と杉山氏は説明する。

 そのため、大手デベロッパーとして、ただ「場所を貸す」のではなく、アーティスト側のチームラボと共同で企画・運営することにした。

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最終更新:2019/12/10(火) 8:00
ITmedia ビジネスオンライン

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