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太陽の接近観測で明かされた太陽風の磁場の反転現象

2019/12/10(火) 21:38配信

sorae 宇宙へのポータルサイト

太陽はよく研究されている天体のひとつですが、表面(摂氏およそ6000度)よりもはるかに高温なコロナ(摂氏およそ100万度)をはじめ、未解明の謎も残されています。NASAの太陽接近探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」による接近観測によって、その謎の一端が解き明かされつつあります。

■局所的な磁場の反転や、予想以上に速い太陽風の回転速度

2018年8月に打ち上げられたパーカー・ソーラー・プローブは、できるだけ太陽に近づいて観測を行うために、強烈な放射から機器を保護するための耐熱シールドを装備しています。今年9月に実施された接近観測では、太陽からおよそ2400万km(約0.16天文単位)まで近付きました。

12月4日付でNatureに掲載された4つの論文では、パーカー・ソーラー・プローブによる観測データをもとに、これまで知られていなかった太陽周辺の環境が明らかにされています。そのうちの一つが、太陽風の磁場の反転現象です。

太陽から放出されたプラズマの流れである太陽風は、地球の付近では比較的均一な流れとして観測されます。ところが、水星よりも内側の領域では太陽風の磁場が局所的に反転していることが、パーカー・ソーラー・プローブの観測によって初めて明らかになりました。研究者が「スイッチバック」と呼ぶこの現象は、ひとつが数秒間から数分間に渡り観測されており、太陽に近い領域における太陽風のダイナミックな動きを象徴する発見といえます。

また、地球の付近では太陽から放射状に流れているように観測される太陽風も、自転する太陽から放出されているため、太陽に近いところでは自転にそって回転するように流れていると考えられてきました。この流れはパーカー・ソーラー・プローブによって実際に観測されましたが、その回転速度は理論上の予測値より10倍~20倍も速いことが判明しました。研究に参加したJustin Kasper氏(ミシガン大学)は「我々は太陽について何か基本的なことを見落としている」とコメントしています。

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最終更新:2019/12/10(火) 21:38
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