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アルミ厚板需要、低調のまま越年。”来年半ばの回復”に期待

2019/12/10(火) 6:03配信

鉄鋼新聞

 アルミ厚板の回復は来年に持ち越しとなりそうだ。米中貿易摩擦の激化により昨年秋ごろから調整入りした厚板は、主力の半導体・液晶製造装置向けの減速を受けて需要が減少。最近では一部液晶製造装置関連に動意も感じられたが、インパクトは限定的だった。今年はまだ3週間程度残されているものの、市場関係者は需要の回復は”早くても来年半ば”が共通意識となっている。

 A5052などのアルミ厚板は圧延メーカーから、流通、加工業者を経て半導体製造装置やパネル製造装置、精密機械メーカーなどへ納入される。セットメーカーまでのサプライチェーンが長いため、需要旺盛期は納期が厳しくなり、停滞すると「高速道路のように大渋滞」(問屋筋)となるのが特徴だ。
 半導体製造装置や液晶製造装置需要を巡っては昨年秋から需要が減速しており、厚板を扱う大手流通の今年の実績は年間を通じて前年同月の水準を下回った。2019年初のころは「年末までには回復するのではないか」(問屋筋)という指摘も目立っていたが、米中貿易問題の不透明さや中国景気の減速を受け、そういった期待は年半ばにはほぼ払しょく。先行き不透明感が強まる中で、足元では「20年のどこかで回復すれば」(同)という確証のない期待に切り替わっている。
 来年についても厳しい見方が多い。焦点となっている米中貿易問題の進展が読めないため、中国や韓国の半導体大手が大きな設備投資に打って出られないことが要因だ。
 それでも「一部の中国液晶メーカーに設備投資意欲が出ている」(大手商社筋)や「韓国大手が半導体の設備投資を検討している」(大手流通筋)という動きが散発的に出ているようで、「現在が底」(大手商社筋)という期待も強い。扱い筋は「いずれにしてもIoTや5Gの本格化、自動車の”CASE”が進展するのは明らか。そしてこれらの分野には半導体が欠かせない。需要がこのまま落ち込んだままということはあり得ない」(同)と指摘。「需要の復調時にすぐに動けるよう準備をしておく」(同)という認識だ。

最終更新:2019/12/10(火) 6:03
鉄鋼新聞

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