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「もっと働きたい」「会社の奴隷じゃない」残業規制に賛否...「大戸屋」店主の現状から考える

2019/12/10(火) 12:05配信

テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー。今回は、残業時間の規制に翻弄される企業の姿を追跡した。

政府が進める働き方改革で、今年4月から大企業を中心に義務付けられた残業時間の規制。厚生労働省は、臨時的、特別な事情がある場合を除き、上限は月に45時間、年間360時間までと定めた。

さらに、月45時間以上の残業は年間6ヵ月まで。破った場合、企業の管理者は30万円以下の罰金か6ヵ月以下の懲役が課せられることになる。「月45時間」の壁でいま何が起きているのか。大手定食チェーン「大戸屋」の現場を追う。

「もっと働きたいのに」という現場の声も

大戸屋の研修センター(山梨県山梨市)では、年に一度、全国の店主が集う店主会が開かれる。そこで山本匡哉(まさや)社長が真っ先に問いただしたのは「時間外労働は何時間だった?」。結果はほとんどの店主が規制を超える残業をしているというものだった。

新宿東口中央通り店(東京・新宿)は、来店客は1日約700人、売上げは月約1700万円に上る繁盛店だ。そこで精力的に働く店主・安藤隆仁さん(41)は、「もっと働きたいので(残業規制は)嫌」と話し、残業規制には反対の姿勢を示している。

人手不足が深刻化する中、安藤さんが頼みの綱にするのは24人の外国人アルバイトだ。しかし労働時間は週28時間までと定められているため、人手が足りない時間は自ら埋め合わせをする。結果、朝9時から深夜0時まで15時間働くことも。なぜそこまでするのか。

「哲学ですかね。働いている以上は会社に少しでも貢献したい」。7月の残業時間は70時間で、到底45時間に収まる気配はない。

一方、中野北口店(東京・中野)店主の石田卓さん(43)は、安藤さんとは全く違う考えの持ち主。「理想は(残業)30時間以下です。帰るときは帰らないと。休まないと結局自分が倒れちゃうと何の意味もない。決して(会社の)奴隷じゃない」と笑う。残業規制に大賛成の姿勢だ。

人手不足の問題は、アルバイトを1時間単位で募集できる単発バイトアプリ「タイミー」を利用することで解消を試みる。給料は即日決済。時給の3割を手数料としてタイミー側に支払う。レギュラーのバイトが足りないときも自分はシフトに入らず、コストをかけてでも残業を減らす石田さんは、「自分の時間をつくるため、やらなきゃいけないと思ったら押し切る」と話す。石田さんの7月の残業は56時間。45時間以内まであと少しだ。

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最終更新:2019/12/12(木) 12:55
テレ東プラス

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