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生活保護世帯の子どもは大学進学を諦めなければならない?進学支援策はないの?

2019/12/10(火) 18:21配信

ファイナンシャルフィールド

厚生労働省の資料によると、生活保護世帯の子どもの大学等進学率は35.3%と、全体の進学率73.0%と比べて半分以下です。生活保護世帯の子どもが大学等に進学するには、経済的に大きなハードルが存在します。

大卒と高卒では生涯賃金も大きく異なり、子どもの進学にも大きな影響をおよぼします。生活保護世帯の子どもが成人しても生活保護を利用する可能性が高い、という調査結果もあります。国は「貧困の連鎖」を断ち切るためにさまざまな施策を講じています。

生活保護世帯の子どもが大学等に進学するには

現在の生活保護制度では、生活保護を受けながらの大学等進学は認められていません。18歳となり高校を卒業すると「稼働能力がある」(生活保護法4条1項)とみなされ、自立を目指して、働いて収入を得ることが求められます。

生活保護世帯の子どもが、大学等に進学をする場合には、「世帯分離」という手続きを取り、生活保護世帯から離れ、自立して生活する必要があります(必ずしも別居する必要はありません)。学費のほか、生活費、国民健康保険料、国民年金保険料なども全て子どもの自己負担になります。

一方、「世帯分離」によって、当該世帯の保護費も大きく減り、親の生活もより苦しくなります。このことから大学等への進学を断念する子どもが多くいます。

生活保護世帯の子どもの大学等進学率の低さ

厚生労働省が平成30年6月25日に公表した「生活保護世帯出身の大学生等の生活実態調査」の結果によると、生活保護世帯の子どもの大学等進学率は35.3%。内訳は、大学・短期大学が19.0%、専修学校・各種学校が16.3%となっています。

一方、全世帯の大学等進学率は73.0%。このうち大学・短期大学が52.0%、専修学校・各種学校が20.9%となっています。このように、生活保護世帯の子どもの大学等進学率は、全世帯の進学率と比べて半分以下となっています。

受験や入学にかかった費用と準備方法

同調査によると、受験や入学にかかった費用(項目ごとに聞き取り)をみると、平均金額は、「受験の教材」1万7600円、「受験料」4万4800円、「受験のための交通費・宿泊費」4800円、「入学金」27万8700円、「入学時の準備経費(入学時の衣類・鞄等)」9万7300円となっています。

受験や入学に要する費用の準備方法は、「奨学金を利用した」が60.0%ともっとも多く、「すべて家庭(親等)が準備した」25.6%、「家庭(親等)と自分で準備した」25.2%、「生活福祉資金(就学支度費)を利用した」21.5%、「すべて自分がアルバイトなどをして用意した」13.0%、「金融機関から借り入れた」4.9%などとなっています。

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最終更新:2019/12/10(火) 18:21
ファイナンシャルフィールド

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