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中学受験のために月5万円以上の塾代を出す家庭も…考えたい子どもの教育と受験費用のこと

2019/12/10(火) 18:43配信

ファイナンシャルフィールド

2020年度から始まる大学入学共通テストで予定されていた英語の民間試験の活用の見送りが発表されました。直前に見送りとなった要因はさまざまありますが、地方在住者も受けやすい会場数の確保や家計が苦しい生徒の受験料の軽減策が進まなかったことが挙げられます。

筆者自身、子育て家庭として、そしてファイナンシャルプランナーとしてもお金と教育について考えるべき出来事です。

地方在住者の負担が大きくかつ不公平な制度

今回見送られた制度は「読む・聞く・書く・話す」の4技能をテストするため、英語の民間試験を活用し、2020年4~12月の間に受験生が最大2回受験するものでした。東京をはじめとする首都圏・大都市に住んでいる生徒は、試験会場も実施回数も豊富で、近くて便利な会場と日程を選ぶことができます。

しかし、地方在住の生徒はそもそも試験会場が県庁所在地や大都市にしかなく、交通費や宿泊費の負担が大きくなります。移動時間も長くなりますし、試験日程が少なく部活動の大会等と重なればさらに選択できる日程が少なくなります。地方在住の生徒は十分な準備が整わない中で、限られた受験可能な試験日程を選ばざるを得ないかもしれません。

また、高校1年生や2年生の頃から何度も英語の民間試験を受けることができるため、首都圏・大都市に住む高校生は数百円の安い交通費かつ多くの日程から負担の少ない日程を選んで事前テストを受けることができます。つまり「試験慣れ」することができます。

しかし、地方在住の高校生は一度「試験慣れ」するためには、数万円の交通費・宿泊費と日程調整が必要となる場合もあり、とても不公平です。今回の導入はしばらく延期となりましたが、どのように不公平を解消していくのか注目です。

受験費用の他にも多額の教育費

英語の民間試験の「試験慣れ」には受験料もかかるため、裕福な家庭は何回も試験慣れのための受験ができるという点も不公平と指摘されました。しかし、裕福な家庭ならば子どもが小さな頃から塾や家庭教師の費用を払えるという根本的な不公平は数十年前から続いています。

1970年代の「一億総中流」と呼ばれた時代では、教育への費用負担の格差はそれほどではありませんでした。しかし、ちょうどその頃の第二次ベビーブームの子どもたち、いわゆる「団塊ジュニア」が成長していくにつれて受験戦争という言葉が広がり、受験のための塾や家庭教師への支出が増えていきました。

今回の導入は延期となりましたが、2020年度の導入を信じて長年準備をしてきた生徒や保護者も多くいらっしゃるでしょう。裕福な家庭のみならず、英語の民間試験対策のために厳しい家計の中から塾代や受験費用を捻出した方もいらっしゃるかもしれません。子どもの受験勉強への支出が、実のある支出となる確実性が無いことがわかる出来事でもありました。

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最終更新:2019/12/10(火) 18:43
ファイナンシャルフィールド

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