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年金には、残された家族の生活を補償する役割があるって知っていますか?

2019/12/10(火) 19:30配信

ファイナンシャルフィールド

もし、主たる生計者に何かあった場合、残された人の生活はどうなるのでしょう? 誰しもがそんな疑問を持ったことがあると思います。そのため、生命保険に入る方も多いかと思いますが、そんな時のために遺族年金という制度があります。

遺族年金は国の年金制度のひとつで、国民年金または厚生年金の被保険者または被保険者であった方が亡くなったときに、その遺族が受けることができる年金です。

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。遺族基礎年金は国民年金の被保険者が対象となり、遺族厚生年金は厚生年金の被保険者が対象ですが、遺族厚生年金受給者は国民年金の被保険者でもあるため、遺族基礎年金に合わせて遺族厚生年金を受給できます。

わかりやすく説明しますと、自営業の方は厚生年金に加入できないため、遺族は遺族厚生年金の受給対象となりませんが、給与所得者で厚生年金加入者であれば、遺族は遺族厚生年金と遺族基礎年金の受給対象者です。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したときに給付されます。ただし、死亡した者の保険料納付済期間が、加入期間の3分の2以上(保険料免除期間を含む)必要です。

対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた子ある配偶者または子になります。支給される金額は、78万100円+子の加算となり、第1子および第2子の場合は各22万4500円で、第3子以降は各7万4800円です。

老齢基礎年金を受けられる加入期間のある方が、国民年金からいずれの年金も受けないで亡くなられたときは、残された妻に寡婦年金が支払われます。寡婦年金は10年以上結婚していた妻に60歳から65歳になるまで支払われます。

遺族厚生年金

遺族厚生年金の支給要件は次の3つです。

1、被保険者が死亡したときまたは被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき(ただし令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます)。

2、老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。遺族基礎年金と同様、死亡した者の保険料納付済期間が、加入期間の3分の2以上(保険料免除期間を含む)必要です。

3、1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた、妻や子、孫、55歳以上の夫(遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる)、父母、祖父母(支給開始は60歳から)です。子のない30歳未満の妻は、5年間の有期給付です。子のある配偶者や子は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻または、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達した等のため、遺族基礎年金を受給できなくなった妻は、40歳から65歳になるまでの間、58万5100円(年額)が加算されます。これを中高齢の加算額といいます。

また、昭和31年4月1日以前に生まれた妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したとき、または、中高齢の加算がされていた昭和31年4月1日以前に生まれた遺族厚生年金の受給権者である妻が65歳に達したときに、経過的寡婦加算が遺族厚生年金に加算されます。

このように、遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金がありますが、遺族基礎年金は主に残された子に対する制度に対して、遺族厚生年金は、残された妻をはじめ子や父母などの遺族を広くカバーする制度といえます。

なお、ここに記載した内容は遺族年金の概要を記載したものであるため、個人の状況に応じて支給の有無や金額が変わるため、詳細につきましてはご自身のお住いの年金事務所へご確認ください。

執筆者:高畑智子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者

ファイナンシャルフィールド編集部

最終更新:2019/12/10(火) 19:30
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