ここから本文です

[バスケットボール]男子代表の佐古コーチ 次代担うPG育てる! 強化の青写真描く

2019/12/10(火) 12:06配信

中日スポーツ

 史上最強とも言われる男子バスケットボール日本代表を「ミスター・バスケットボール」が支えている。佐古賢一アシスタントコーチ(49)。現役時代に国内最高のポイントガード(PG)として日本リーグで優勝7度、MVP3度を勝ち取り、冒頭の愛称で呼ばれた男が、現在はU-16、U-18代表ヘッドコーチ(HC)も兼任。NBAウィザーズの八村塁(21)を筆頭に現・元NBA選手3人を擁し、かつてない強力布陣となっている代表のさらなる強化を見据えている。

【写真】佐古コーチ、現役時代の華麗なプレー

 「もし今、現役だったら、今の代表に入るために頑張れたと思う。雄太(渡辺、NBAグリズリーズ)や塁(八村)は本当に特別な選手たち」

 佐古コーチが目を細めた。現・元NBA選手3人を擁し、今年は21年ぶりに自力で世界選手権出場。今の代表はそれだけの魅力がある。

 ただ、佐古コーチ自身も特別な存在だ。1998年、21年前に自力で世界選手権代表を勝ち取ったチームの絶対的司令塔。「ミスター・バスケットボール」とまで呼ばれた男なのだ。

 現在、フル代表では、フリオ・ラマス・ヘッドコーチのサポート役。選手たちとアルゼンチン出身コーチの橋渡し役を担う。重視するのはコミュニケーションだ。

 誰よりも近くで見てきたからこそ、今の日本代表の長所も欠点も見えている。武器はやはり、NBAで活躍する八村、渡辺を中心としたフォワード陣。得点力や運動能力にとどまらず、NBAマーベリックス傘下のレジェンズでプレーする馬場雄大も含め、身長2メートル級でありながらドリブルもパスもできる選手がそろっている所だという。

 「コートの真ん中でボールを受け取っても、そこから攻撃をクリエートできる。雄太、雄大、塁の3人全員できる。すごくパワフルなのにボール運びまでできるのが今の世代の一番の強み」

 一方で、佐古コーチが現役時代に務めたPGには不安がある。「今の日本代表はPGでは(世界ランク24位と大して強くない)ニュージーランドより劣る。今、PGが谷間の世代に向かっているという危機感がある。国内では富樫(勇樹)が特別な選手だけど、海外経験という意味で、けがでW杯を欠場したのは痛かった」。これまで育成側にPGを育てる意識が薄かったためだ。

 だからこそ今、アンダー世代でHCとして自ら将来のPG育成に取り組んでいる。「U-16では大きな選手に『今からPGやったら将来NBAに行けるかもしれないよ』と言ってチャレンジを促している」と明かした。

 ただ、育成は2020年には間に合わない。そこで鍵になるのは、やはり八村らだ。

 「雄太や塁、雄大にリバウンド取ったら自分で運べって、自分でドリブルしろって(言っている)。世界中を見渡しても、インサイドの選手がみんな自分で持って行けるチームはない。東京五輪で考えると、PGを育てるより、この3人がどこからでも仕掛けられるよう徹底する方がいい」と分析した。

 視野には2024年パリ五輪まで入っている。「塁たちの世代が第一線でやれているうちにPGを育てたい。パリ五輪で出場権を獲得できるようにしたい」。1976年モントリオール五輪以来の自力五輪出場。東京のさらに先まで見据え、ミスター・バスケットボールは日本代表と共に歩む。 (藤本敏和)

 <佐古賢一(さこ・けんいち)> 1970(昭和45)年7月17日生まれ、横浜市出身の49歳。現役時は身長179センチ、体重78キロ。小学生からバスケットボールを始め、福井・北陸高で高校総体優勝。中大3年の91年アジア選手権でフル代表に初選出され、同大会銅メダル、95年ユニバーシアードで銀メダル、98年世界選手権に自力出場などの実績を残す。国内リーグでもいすゞ自動車とアイシンでリーグ優勝7度、MVP3度受賞。2011年に現役引退し、14~17年は広島ドラゴンフライズ監督。17年に日本代表アシスタントコーチに就き、18年からはアンダーカテゴリー(U-16~18)HCも兼任する。

最終更新:2019/12/10(火) 18:10
中日スポーツ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事