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北朝鮮、「重大実験」の内容明らかにせず、対米交渉を念頭に置いた「戦略的曖昧さ」

2019/12/10(火) 7:39配信

ハンギョレ新聞

労働新聞に実験の事実も報道せず 米国と交渉余地など複数の思惑あるもよう  中央委全員会議の時に公開するか 年末までに追加実験がある可能性も  専門家「交渉期限控えたメッセージ管理」 「対外情勢、対内公開に負担を感じているもよう」

 北朝鮮が7日午後、東倉里(トンチャン二)西海衛星発射場で「極めて重大な実験」を行ったと、官営「朝鮮中央通信」が8日付で報じたが、まだ当該試験の具体的な内容を含めた後続報道を出していない。北朝鮮の住民たちが毎日読む「労働新聞」に試験事実自体が載っていない点も注目される。韓国政府も、北朝鮮の試験の具体的な内容について発言を控えている。北朝鮮が「年末の時限」を強調し、米国と「破局か交渉か」をめぐる神経戦を繰り広げて緊張が高まる状況で、南北ともに慎重な姿勢だ。

 通常、北朝鮮は新型兵器などを実験した後、翌日に実験内容を写真や映像とともに「労働新聞」や「朝鮮中央放送」を通じて人民に詳しく伝えてきた。今年5月4日から11月28日まで計13回にわたって新型兵器を発射実験をするたびに、「労働新聞」1、2面にその内容を詳しく取り上げた。ところが、今回は「重大な試験」を行ったと意味づけしながらも、後続報道や対内公開を行わない背景に関心が集まっている。

 9日、政府当局者や北朝鮮専門家らの分析を総合すると、その理由は大きく三つに分けられる。

 第一に、北朝鮮が8日の発表で明らかにしたように、今回の実験の結果が党中央委員会に報告され、今月末に開かれる全員会議で公開される予定であるため、事前に発表しなかったという指摘だ。第二に、北朝鮮が米国に「新たな計算法」を求めて提示した年末期限が残っている状況で、米国との交渉余地を残しているという分析もある。第三に、国防科学院報道官は、該当実験が「遠くない未来に」北朝鮮の「戦略的地位をもう一度変化させる上で、重要な役割をするだろう」と述べたが、年末まで追加の実験があり得るため、まだ公開していない可能性もある。米国との交渉可能性が残っていると判断しながら、様々な可能性を考慮した“戦略的曖昧さ”であり、“多目的布石”とも言える。イ・ジョンチョル崇実大学教授は「12月末まで交渉の余地が残っている状況で、メッセージ管理をしたものと見られる」とし、「戦略的地位と密接に関連する技術を具体的に公開した瞬間、全員会議の結果を事前に出すことになるため、シグナルだけを送って状況を見極め、全員会議の時までも米国の態度変化がなければ新しい道を公式化しようとするもの」だと話した。ある政府当局者も「対米圧力のために西海衛星発射場を強調したものとみられる」と語った。キム・インテ国家安保戦略研究院責任研究委員は「対外情勢を内部に詳しく伝えることには負担を感じるようだ」とし、「米国首脳と三回会った金正恩(キム・ジョンウン)の対外業績が損なわれる面があり、不利と判断した可能性もある」と分析した。

 韓国政府も、不必要に北朝鮮を刺激しないため、慎重な態度を示している。チェ・ヒョンス国防部報道官は9日の定例ブリーフィングで、軍当局が把握している北朝鮮の7日の実験について「韓米は緊密な協力のもとに綿密に監視し、注視している」とし、具体的内容は「韓米情報当局が精密分析中であるため、確認することはできない」と述べた。大統領府関係者は「7日、韓米首脳が電話会談を行っており、朝米間の問題もあるため、複合的な状況」だとし、「(立場を)表明する特別な理由がない」と述べた。

ノ・ジウォン、ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:2019/12/10(火) 7:39
ハンギョレ新聞

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