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【金子駿平 インタビュー】不安や孤独にそっと寄り添うような一枚

2019/12/10(火) 15:02配信

OKMusic

無垢な感情をいつまでも大切にしたい

──「飛行機の小さい窓から」はカントリー調でサウンド的にはポップなのに、歌っていることはハッピーではないというバランスが絶妙ですね。飛行機の中でも旅立つ前の出来事のことを考えているというもやもやした心情が軽やかに表現されていて、実際にそういったシチュエーションがあったのでしょうか?

この曲は“恋人たちの些細な諍い”がテーマになっていて、お互い意地っ張りだけど、結局好きですよってことを歌ってます。飛行機や電車とか車は繰り返し使いたいテーマでもありますね。自転車やバイクとか、いずれは馬なんかも使ってみたいです。

──アルバムの後半、さらりと流れる「声が聞きたいよ」ですが、アコギの弾き語りとピアノというシンプルな構成ながら存在感は強く、《僕には何があるだろう》という問いかけにグッときます。

初めて「いわゆるひとつのラブソング」を作ってから調子に乗って書いた曲なんです。でもこれが中々仕上がらなくて…ハートブレークにあちこちさまよう男のセンチメンタリズムを表現しました。忘れたいけど忘れられない、いつまでも癒えない孤独なハートが散りばめられていると思います。

──ブルースハープやオルガンの音が華を添える「おやすみグッドナイト」で今作が締め括られますが、金子さんの楽曲は曇った気持ちを少し軽くしてくれる印象があるので、最後は明るいサウンドの曲で締め括るというのも“らしいな”と思いましたし、童心に帰ることの心地良さを感じました。

これは子供時代の思い出の歌なんです。僕には妹がふたりいるんですが、僕らは寝る前に両親にたくさんの本を読んでもらっていたんです。あの頃のようにずっとピュアでいたい、いっそ馬鹿でいたい、無垢な感情をいつまでも大切にしたいという想いを込めて作りました。

──今作を聴いていると、なかなか晴れない気持ちを溜め込むのではなく、いったん何かに託すことで次の場所へ進んでいる印象を受けました。だからこそ、もやもやとした感情や刺々しい曲を歌っていてもどこか穏やかさを感じたのですが、楽曲制作をするうえで、常に大切にしていることは何ですか?

心と言葉、言い換えれば歌詞を大切にしています。僕の曲を僕が歌って、それが誰かに届いた時は救われるような気持ちになりますね。

──12月14日に下北沢GARAGEで行なわれる初めてのワンマンライヴ『Let me take you down』は、バンドメンバーも発表されて期待が高まるところですが、どんな日にしたいですか?

弾き語りとバンド編成を披露する予定で、メンバーはひとりひとり僕から声をかけました。ギターの磯田和寿(said)、ベースのゆりか(羊文学)、ドラムの坂田 航(ラヴミーズ)、キーボードの伊藤里文(ゆうらん船)と、集まってくれたみんなに感謝しています。スタジオに入るたび、バンド初心者の僕は発見の連続です。僕の曲に対するアプローチがそれぞれ異なっているのが面白くて、真摯に向き合ってくれてありがたいですね。来て良かったと思ってもらえるような夜にしたいです。終演後、帰り道で僕の歌をつい口ずさんでしまうような、12月の寒さを忘れられそうな、そんなひと時を一緒に過ごせたら嬉しいなと思います。

取材:千々和香苗

OKMusic編集部

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最終更新:2019/12/10(火) 15:02
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