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【シトロエンらしさの復活】なぜ好調? 100周年、愛すべき現行モデル シトロエンC3

2019/12/10(火) 6:10配信

AUTOCAR JAPAN

シトロエンの洗礼

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

【写真】C3シャイン試乗車/C3エアクロスSUV【比較】 (65枚)

これまで様々なメーカーのあらゆるモデルに乗ってきたが、クルマに対する価値基準をひっくり返す強烈なインパクトを受けたのがシトロエンだった。

小生意気な小僧だった筆者は高性能なスポーツモデルがすべてという考えだったが、ヒトを快適に移動させることの理想を追い求めたシトロエンの世界を知ってしまうと、いつしか気になる存在になっていた。

筆者にとってシトロエン初体験は1975年のことで、バイト先にあった「GS」だった。ちなみにこのGSは1975年の「1220クラブ」で、当時でも珍しかったCマティック右ハンドル仕様。ボビンメーターではなくレアなアナログ・タイプだった。

街中から高速、そして雪道などのあらゆる状況でシトロエンに接してみると、柔らかなシートは乗る者をやさしく包み込んでくれ、常にフラットな乗り心地を提供してくれる脚とのコンピネーションにより、駿足ではないがどこまでも走って行ける気にさせてくれた。それでいてキャビンは大人4人がゆったり乗れ、真四角で超広大なラゲッジスペースは何でも飲み込んでくれ、すべてが目から鱗だった。

このころにシトロエン界の大御所である四日市の椙山先生を取材する機会に恵まれる。産婦人科医を務める椙山先生だけに、シトロエンのヒトを包み込むような乗り心地は「子宮の中の胎児」と例えた専門医ならではの説明に、このような見方があるのかと大きなインパクトを受けたことを今も鮮明に覚えている。

その後もシトロエンのある生活は続き、CXのセルフ・センタリング・ステアリングに驚き、コイルばねながらハイドロを思わせる優しさを持つヴィザの乗り味に感激し、硬くなったとはいえBXのしなやかな脚と、どのモデルにも独自の世界観と合理性が受け継がれていることに感動した記憶がある。

しかし21世紀に入るとシトロエンにもグローバル化の波が押し寄せて、かつてのゆったりとした乗り味やオリジナリティが希薄になり、ちょっと縁遠い存在になってしまった。

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最終更新:2019/12/10(火) 6:10
AUTOCAR JAPAN

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