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北極の方が南極よりもコケの種類が多いワケ

2019/12/11(水) 8:10配信

ニッポン放送

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、国立極地研究所・副所長であるコケの専門家、伊村智が出演。北極のコケについて語った。

伊村)北極は2回行きました。

黒木)では南極7回、北極2回ですね。北極へはどうやって行くのですか?

伊村)飛行機で行きます。

黒木)どちらまで?

伊村)ノルウェーにスバールバル諸島というところがあります。ノルウェー本土から北に行った、北極海の真ん中にある島ですが、そこまで定期便が通っています。私は陸上生物の研究が中心なので、北極海には基本的に縁がないため、陸上環境として北極にいちばん近いスバールバル諸島を中心に仕事をしています。

黒木)ノルウェーの上のほう、グリーンランドの東側にあるところですね。そこはどんなところなのですか?

伊村)緑が豊かで、草原になっています。もちろん冬は雪に覆われてしまいますが、夏の間は雪が解けて、地面に草やコケが生え、緑色をしています。トナカイなどの動物がそれを食べながら歩き回っています。南極に比べれば、生き物が豊かな場所だと思います。

黒木)北極圏の方のコケは、たくさん生えているのですか?

伊村)遥かに種類が多いですね。北極は海で、周りは陸が囲んでいます。北極に近い陸地というと大陸になりますから、森があり草原があって、植物たちが北のギリギリまで生えている最前線となります。草や木など、コケたちが侵食している先なので、種類が多いのです。でも南極の場合は孤立した島なので、凍りついた南極の大陸に、たまたま飛んで来た胞子が落ちてコケが生える。それくらいしかないので、植生が乏しいのです。だから北と南で同じような極地ですが、陸上植生は全然違います。北極の方が豊かですね。

黒木)よく氷河が溶ける映像を観ますが。

伊村)氷はいつでも上に降り積もって、氷河が流れ、海に崩れ落ちます。これは普通のことなので、それ自体は温暖化の影響ということではありません。

黒木)海の水深の変化は?

伊村)海面上昇ですか? 崩れて海に流れ落ちる氷が昔よりも増えて来ると、その分だけ海面が上がる。普通に降り積もって流れて行くということは、当たり前のことです。そのスピードが速くなる、流れる量が増えるということが問題なのです。

黒木)それは長年、研究して行かなくてはならないということですよね。南極・北極以外にも極地と呼ばれる場所、高地などにも行かれるのですか?

伊村)極地研で扱っている極地として、鉱山などは研究対象になっています。私も学生のフィールドとして、富士山の山頂付近を対象としましたので、富士山にも何回も登っています。

黒木)極地研究所というのは、体を張る仕事ですね。南極まで荒波の海を渡って潜ったり、ノルウェーの上まで行かれたり、富士山に登られたりと。

伊村)でも、普通の身体であれば問題ないと思います。昔は登山の専門家が、隊員として南極に行っていましたが、最近は健康であれば誰でも行けます。

黒木)私でも行けるということですか?

伊村)行こうと思えば行けます。いまは観光ツアーもありますし。

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最終更新:2019/12/11(水) 8:10
ニッポン放送

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