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「メガバンクの危機感」三井住友FGに30代社長誕生、“異例”人事の裏側

2019/12/11(水) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

メガバンク「冬の時代」

年功序列が強く残るメガバンクの一角である三井住友FG。30代の社長という思い切った人事には、銀行が抱える危機感がにじむ。近年、銀行を取り巻く環境の変化は厳しく、メガバンクには「冬の時代」が訪れている。

金融分野のデジタル革命はここ数年で急進し、フィンテック分野へのベンチャー参入で競争が激化。店舗営業に主軸を置いてきたビジネスモデルは人件費がかさむことに加え、日銀のマイナス金利政策によって本業の融資による利益は圧縮されている。

2019年4~9月の連結決算の最終利益は、三菱UFJFGが前年比6.3%減の6099億円、三井住友FGが前年比8.6%減の4319億円、みずほFGが19.9%減の2876億円となり、3メガバンクは全て前年を下回った。

人気ランクから転落

2017年にみずほFGが10年で1万9000人分の「業務量削減」を発表したのをはじめ、三菱UFJ銀行、三井住友FGと3メガ合算で、数年かけて約3万2000人分の「業務量削減」方針が報じられた。全国に支店を張り巡らせ、膨大な人手を前提としてきた銀行の業務モデルからの脱却が急務となっていることが浮き彫りになった。

「業務量削減」の意味するところのリストラは、実際には定年退職による自然減と窓口業務など「一般職」採用を抑えたもの。しかし、年功序列や「AIに奪われる仕事」といったイメージは就活現場にもつきまとい、とくに新卒採用で人気の低下に見舞われている。

採用支援サービス・ディスコ社の「キャリタス就活2020就職希望企業ランキング」では、2017年1位だったみずほFGは20位に落ち込んだほか、三井住友銀行も28 位(前年14 位)と2メガはトップ10に入れず、三菱UFJ銀行だけが5位(2018年は4位)とトップ10に残った形だ。

増える転職希望者、でも「面白いのはこれから」との声も

金融業界からの転職希望者も増えている。エン・ジャパンによると、2018年9月~11月に転職サービス「エン エージェント」に登録した銀行出身者は前年比29%増、2019年も前年比16%と伸び続けている。

「若い人材が流出していることに強く危機感を持っている。ただ、メガバンクの労働環境はずいぶん整ってきてブラックではないし、30代以降は収入も悪くない。離職率も他の業界から見ると低いだろうし、中から見ていると辞める理由が見えにくいのが事実。

辞めてしまう20代に聞いてみると、年功序列よりも早くから経験を積みたいと。若い社員の積極的な登用に期待したい」(メガバンク勤務の30代男性)

人材流出への危機感から、三井住友FG内では、若手へのアピールの意味でもフィンテックの新事業の立ち上げや、若手の登用への期待が高まっている。

「金融業でこれからどんどんデジタル化が進めば、さまつな仕事はなくなり、まさにおもしろいことができる時代になってくる 。(人材流出を) 食い止めるためにやるという考え方ではなく、僕らはやりたいビジネスをやっていく、そうすれば結果的に(流出も)少なくなる」(谷崎氏)

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最終更新:2019/12/11(水) 12:35
BUSINESS INSIDER JAPAN

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