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弱者のマーケティング戦略が育てたサイボウズの生存術 VUCA時代に求められる考え方とは?

2019/12/11(水) 7:45配信

ITmedia ビジネスオンライン

 こんにちは。サイボウズチームワーク総研のなかむらです。

 このコラムでは、第1回で「“楽しくない職場”には人が集まらない」と述べました。第2回では「仕事の意味や目的を意識することが仕事に楽しさをもたらし、チームで成果を上げることにつながる」と伝えました。第3回は「“ブラックな職場”を変えた具体的な事例」、第4回は「仕事に没頭するためのヒント」。そして今回は、「遊び心と楽しさがアイデアを生み出すこと」について考えてみたいと思います。

【目立つためのメール広告例】

弱者のマーケティング戦略

 サイボウズは設立して20年ほどの会社です。自分たちの製品を売るため、創業期やベンチャー時代のマーケティング戦略は「目立つこと」でした。

 当時でいうと、IBMやMicrosoftといった大手が競合にあたります。職場で使う法人決済が必要な製品で、かつ設立間もない会社の製品を誰が買うでしょうか。

 とはいえ、製品力には自信がありました。マニュアルなしで使える、だから職場の高年齢層も使える、まずは無料でお試ししてみてください、と今では当たり前の無料試用期間ありのソフトウェアダウンロード形式で試用者を増やしていき、価格も差別化することで顧客を増やしていったのです。実は、企業向けソフトウェアがクリック1つでダウンロードできることは、当時(1990年代)では画期的なことでした。

 目立つためのマーケティングをたくさんしました。グループウェアを購入する決裁者層が好きそうなキャラクター「ボウズマン」を生み出す、限られた予算で出せる広告はメール広告くらい……そこでとにかく目立つ、目を引くキャンペーンをする。過去の事例をみたら枚挙にいとまがないほどです。

 こうした戦略のなかで、価値判断の基準は「それ、面白いの?」でした。この創業時のDNAは今でもさまざまなところで受け継がれています。「ふざけているの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう(笑)。はい。真面目にふざけています。でもそれが、自分たちが生き残るすべだったのです。

 ただ、「真面目にふざける」って、とっても大変です。お笑い芸人が普段は真面目にネタを作っているように(実際は知りませんが)、人を不快にすることなく、「これ面白い~!!」と直感的に思ってもらえるものを創り上げるために、裏では相当な労力がかかっていることがほとんどです。

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最終更新:2019/12/11(水) 7:45
ITmedia ビジネスオンライン

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