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弱者のマーケティング戦略が育てたサイボウズの生存術 VUCA時代に求められる考え方とは?

2019/12/11(水) 7:45配信

ITmedia ビジネスオンライン

目立つ「意味の変化」と人材市場

 この「目立つ」という考え方は、商品やサービスのマーケティングだけではなく、最近では人材採用マーケティングにおいても適用され始めています。昨今ではあらゆる分野で人手不足といわれ、特に中小企業ではその影響が顕著になっているといえるでしょう。

 当然ながら人材採用の場においては、星の数ほどある企業のなかで、自分たちの会社の存在感を出すことが求められます。分かりやすくて身近な商品やサービスを持っている大手企業に比べると、B2B企業や中小企業が認知という点で不利になりやすいのは明らかです。

 一方で、大手企業であることや、商品やサービスの認知があるからといって、それに安住できるわけでもありません。認知度の高い商品やサービスであるからこそ、SNSを含めた評判が企業イメージに非常に影響しやすい昨今です。そう考えると、結局はどの企業においても、新卒やキャリアを含めた採用だけではなく、幅広く見れば顧客やパートナー企業や株主など、あらゆるステークホルダーの価値観において「いい会社」であること、つまり「この会社はイケている」かどうかが問われるようになってきているのです。

VUCA時代に求められる考え方

 昨今では、「アート思考」という言葉も出てきました。その発端になったともいえる山口周さんの著書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』(光文社新書)では、経営を「アート」「サイエンス」「クラフト」の3つに分けて説明し、この3つをバランスよく共存させて意思決定することが、質の高い経営につながると指摘しています。

 つまり、これまで重要視されてきた分析や論理といったサイエンスのみでは、現在を含めたこれからのVUCA時代(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguityの頭字語。予測が難しい不確かな時代といった意)において正しい判断ができないということです。

 これに異を唱える人はあまりいないでしょう。10年先が、いや5年先がどうなっているかも分からない時代です。そこにおいて緻密な過去の分析数値がどこまで役に立つのか、まさに不確かです。そこで大事にすべき感覚が「直感」、自分なりの「真・善・美」だということです。

 特に情報が溢れすぎている昨今では、「人の直感を刺激して認知してもらう」ことが必要です。どの業種・職種においても、他社との差別化のためのアイデアが求められますが、「やらされ感」はそれを阻害します。「真面目にふざける遊び心」がアイデアを生むのです。「遊び」はまさに「直感」そのもの。子どもは「直感」的に遊んでいるでしょう。仕事に「ふざけ」や「遊び」を入れることが大事であり、当然ながらそれが「楽しさ」も生むのです。

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最終更新:2019/12/11(水) 7:45
ITmedia ビジネスオンライン

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