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「なぜクラウドなんだ」「今までのやり方を変えないで」――反発乗り越えAWSなど導入 京王バスを変えた男の交渉術

2019/12/11(水) 12:53配信

ITmedia NEWS

 「クラウド導入を試みた当初は、『なぜクラウドを使うのか』『今までのやり方を変える意味が分からない』などと、周囲からさまざまな反発に遭いました」――。京王電鉄の虻川勝彦氏(経営統括本部 デジタル戦略推進部長)は、12月10日に開催されたシステム担当者向けイベント「NetApp INSIGHT 2019 TOKYO」でこう語った。

【図】京王バスのクラウド導入の流れ

【更新履歴:2019年12月12日 午後10時45分更新 追加の取材と事実確認に基づき、本文の一部を変更しました】

 虻川氏は、グループ会社の京王電鉄バス(以下、京王バス)に出向していた2011年から、システム刷新プロジェクトの責任者としてクラウド導入を推進。グループウェアに「Office 365」、アプリ開発基盤に「kintone」を導入した他、14年からは「Amazon Web Services」を使用するなど、多様な製品をビジネスに採り入れてきた。

 17年に京王電鉄に戻った後は、大学教授と共同設立した「感性AI」というベンチャーでAIを活用した新規事業を手掛ける傍ら、企業向けAWSユーザーグループ「E-JAWS」の会長も務めている。そんな同氏でも、11年当時は周囲の説得に苦労していたという。

運転手が作った複雑怪奇なExcelファイル

 虻川氏が出向していた当時の京王バスでは、ITエンジニアとして長年働いた後、バスの運転手に転職する人もいたという。システム部門の人数が当時5人と少なかったこともあり、現場ではエンジニア出身の運転手が関数やマクロを駆使して業務を実施。その結果、複雑なExcelファイルが作られることもあったという。

 「当時は新人などの現場スタッフが、現場で作られたExcelファイルと基幹システムに同じ情報を手入力する作業を任されるなど、細かな業務に忙殺されていました」(虻川氏、以下同)

 中には、現場に複雑なExcelファイルを残したまま、作成者が転職などでいなくなってしまうケースもあった。「このままでは運用が破綻してしまう」。危機感を覚えた虻川氏は、クラウドなどを活用した全体的なシステム改善プロジェクトを社内で提案したという。だが、同氏を待ち受けていたのは、冒頭のような反発だった。

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最終更新:2019/12/12(木) 22:53
ITmedia NEWS

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