地震による建物の倒壊をどう防いでいくのかが課題となる中、軽くて、強くて、錆びないという驚きの技術が誕生しました。
2016年4月に起きた熊本地震。熊本城など文化財なども甚大な被害を受けました。その1つ、阿蘇神社では重要文化財に指定される楼門や拝殿が全壊。こうした古い建築物の多くは耐震化が課題となっています。
そんな中、石川県能美市にある衣料品製造会社の「小松マテーレ」で注目の耐震化技術が誕生しました。会社の敷地に入ると…不思議な姿をした建物がありました。
「世界で初めて炭素繊維を使って建物の耐震補強をした事例です。」(小松マテーレ 奥谷晃宏取締役)
建物の周りに張り巡らされた幾筋もの“白いワイヤー”。まるでベールに包まれているようです。このワイヤーが、耐震化で力を発揮する『カボコーマ』です。
開発に携わってきた奥谷晃宏取締役に聞きました。
「このワイヤー1本で、強い炭素繊維を使っているので、約10tの耐力がある。だから、重たいコンクリートの建物が揺れる時にも、それを支える力がある。」(奥谷晃宏取締役)
小松マテーレの建物はデザイン性を重視した補強ですが、実はカボコーマは“木造建築”で力を発揮します。
「木の建物は実は水に弱いんですね。金属は結露して、木に水を与える。炭素繊維は非常に結露しにくい。そういう意味でも木に対する相性はもの凄く良い。」(奥谷晃宏取締役)
一般的に木造建築の場合、天井部分には筋交いをするなどして耐震化を行います。ただ、材料が鉄の場合、結露した水分が伝わって木材が腐食したり、筋交い自体が錆びたりすることで、強度が落ちるなどの欠点があるといいます。
一方、カボコーマの元になる炭素繊維は錆びることはなく、結露する心配も少なくなります。
炭素繊維は、髪の毛の10分の1ほどの細さですが、強度は鉄の約10倍。この炭素繊維を数万本まとめたワイヤーを、7本より合わせているため、カボコーマは頑丈なのです。細い炭素繊維を束ねて新たな素材を作る。こうした技術は繊維製品を扱ってきた小松マテーレの得意分野でした。
最終更新:2019/12/11(水) 19:04
MBSニュース























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