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「2.5次元はさらに次の段階に行ける」。演出家・ウォーリー木下が目指す「表現」のこれから

2019/12/11(水) 11:13配信

ハフポスト日本版

「2.5次元」という言葉から想起される、固定化したイメージは捨ててほしいーー。
マンガやアニメ、ゲームなどを原作とした「2.5次元」と呼ばれる舞台。
演出家・ウォーリー木下さんは「東京ワンピースタワー」や舞台「ハイキュー!!」の演出を手がけ、国内外で高い評価を受けてきました。

「“2.5次元”は、歌舞伎や舞踏と同じくらい、世界中に愛される舞台表現になるのではないか」と語るウォーリー木下さんは語ります。

彼が見据える「2.5次元」と「表現」のこれからとは?
ライター・こむらさき さんがウォーリー木下さんにインタビュー。ハフポスト日本版に寄稿した。
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「東京ワンピースタワー」のライブアトラクションやハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の演出をつとめるウォーリー木下。演劇にとどまらず、フェスティバル・オーガナイザーや劇場のプログラムディレクターなど多様な演出を手掛け、国内外で評価されてきた。 

そんな彼が今回、魔術と謎が交錯する音楽劇「ロード・エルメロll世の事件簿 -case.剥離城アドラ-」の総合演出の指揮を執る。演出によって変幻自在な世界観を作り上げる現在の“ウォーリー木下”はどのように生まれたのか、そして、マンガやアニメ、ゲームなどを原作とした「2.5次元」と呼ばれる舞台について今思うことを聞いた。

鴻上尚史さんが演劇の人だということも知らなかった

――ウォーリーさんが演出家になるまでの経緯を教えてください。

この仕事につながる“原体験”が何だったのかな、と思うと、僕は小学生の頃江戸川区に住んでいたんですが、葛西の方に新しい公園ができる、そこには人工の川もあると聞いたので、友達たちと3人で毎日のように通っては、発泡スチロールを使ってオリジナルの船を作って競争する遊びをしていました。最初はただの塊を流していただけだったのが、工夫をして速く進める船に改造していったんです。渓流もある川の岩に引っかからないようにするために、さらに船を改造して……このとき「こういう何かを工夫して作り上げることを一生やっていきたいなあ」と思った記憶がめちゃめちゃ残っています。

もう少し大きくなると、学校で友達と「僕が教室の電気をパチッと消したら、その瞬間、何か怖いことを言って、みんなをおどかして」といった遊びをやるようになりました。思った通りに、みんながキャーキャー言っている様子を見ては「うまくいった」とほくそ笑む……。自分が前に出て何かをやることには興味がなかったけれど、クラスの目立ちたがりの子と組んで、いろいろ企てているうちに、彼がクラスでどんどん人気者になっていく。そんな彼の姿を見ながら「いいぞ!いいぞ!」と思っているタイプでした。

――そして神戸大学に入り、演劇と出合うわけですね?

そうですね。大学に入ったばかりの4月に新入生歓迎イベントがあって、そこで演劇部のチラシをもらい、なんとなく観に行ったのがきっかけです。

それまで演劇なんて観たことがなかったから、もらったチラシに書かれた鴻上尚史さんの名前を見ても、なんで「オールナイトニッポン」のパーソナリティの人の名前が演劇に?と思ったくらい。鴻上さんが演劇をやる人だと知らなかったんですよ。

それなのに、実際に舞台を観ていたら、面白くてハマっちゃって。カルチャーショックでした。

――チラシ1枚でこんなにも運命的な出会いとなるとは……。

本当に不思議ですね。チラシを配っていた先輩がめっちゃ可愛かったので受け取っただけなのに(笑)。その後、演劇部に入部して制作や美術とか舞台監督とかをやっていました。途中から本を書きたくなって劇団の劇作家となり、それがちょっと褒められたら調子に乗ってまた書いて……単純ですね(笑)。

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最終更新:2019/12/11(水) 11:16
ハフポスト日本版

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